ヒステロレゼクトスコピーによる子宮中隔切除後子宮穿孔を生ずるも術後生児を得た習慣流産の1例

「緒言」中隔子宮や双角子宮は習慣流産の原因疾患として知られているが両者の鑑別診断は時に非常に困難であり, 診断基準や診断方法に関しては多くの報告があるが, 定まった見解がないのが現状である. また中隔切除後の妊娠分娩に対しては特に子宮筋層欠損に起因する子宮破裂, 癒着胎盤等の合併症に十分留意しつつ管理することが要求される. 今回我々は臨床的に不全中隔子宮と診断した習慣流産に対し, ヒステロレゼクトスコピー下に中隔切除術を施行し, 子宮穿孔を生ずるも術後早期に生児を得た症例を経験したので若干の考察を加え報告する. 症例 症例:28歳3回経妊0回経産. 家族歴, 既往歴:特記すべきことなし. 月経...

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Veröffentlicht in:日本産科婦人科内視鏡学会雑誌 2004, Vol.20 (2), p.144-148
Hauptverfasser: 岡賢二, 増澤秀幸, 大平哲史, 鈴木昭久, 小原久典, 芦田敬, 加藤清, 小西郁生, 清水元彦, 中山邦章
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」中隔子宮や双角子宮は習慣流産の原因疾患として知られているが両者の鑑別診断は時に非常に困難であり, 診断基準や診断方法に関しては多くの報告があるが, 定まった見解がないのが現状である. また中隔切除後の妊娠分娩に対しては特に子宮筋層欠損に起因する子宮破裂, 癒着胎盤等の合併症に十分留意しつつ管理することが要求される. 今回我々は臨床的に不全中隔子宮と診断した習慣流産に対し, ヒステロレゼクトスコピー下に中隔切除術を施行し, 子宮穿孔を生ずるも術後早期に生児を得た症例を経験したので若干の考察を加え報告する. 症例 症例:28歳3回経妊0回経産. 家族歴, 既往歴:特記すべきことなし. 月経歴:月経周期24~28日, 月経痛軽度, 過多月経なし. 既往妊娠歴:22歳, 妊娠9週で胞状奇胎にて奇胎娩出術. 26歳, 妊娠9週で子宮内胎児死亡. 27歳, 妊娠7週で子宮内胎児死亡. いずれも胎児心拍確認後の子宮内胎児死亡で流産術を施行されている. 現病歴:平成12年3月23日反復する流産の精査を希望され当科初診, 精査を開始した.
ISSN:1884-9938