卵巣出血に対する腹腔鏡下手術の臨床検討

「はじめに」卵巣出血は, 緊急手術を要する婦人科疾患のなかで子宮外妊娠に次いで遭遇する機会が多い疾患であり1), 多くは自然止血に至るとされるが2), 腹腔内大量出血をきたしショックに陥る例も稀ではない. 従来は開腹による確定診断および止血術, あるいは腹腔鏡下に診断し, 自然止血を期待して経過観察を行う保存療法が行われてきた3-6). 卵巣出血は, 若年者に多いことから, 診断および治療を同時に行うことができ, 美容的にもすぐれたminimum invasive surgeryとしての腹腔鏡下手術のよい適応であると考えられ, 内視鏡下手術の普及, 発展に伴い, 腹腔鏡下手術を選択する施設も増...

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Veröffentlicht in:日本産科婦人科内視鏡学会雑誌 2004, Vol.20 (2), p.137-140
Hauptverfasser: 北島道夫, 藤下晃, 平木宏一, 三浦成陽, カレクネワズカーン, 増崎英明, 石丸忠之
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」卵巣出血は, 緊急手術を要する婦人科疾患のなかで子宮外妊娠に次いで遭遇する機会が多い疾患であり1), 多くは自然止血に至るとされるが2), 腹腔内大量出血をきたしショックに陥る例も稀ではない. 従来は開腹による確定診断および止血術, あるいは腹腔鏡下に診断し, 自然止血を期待して経過観察を行う保存療法が行われてきた3-6). 卵巣出血は, 若年者に多いことから, 診断および治療を同時に行うことができ, 美容的にもすぐれたminimum invasive surgeryとしての腹腔鏡下手術のよい適応であると考えられ, 内視鏡下手術の普及, 発展に伴い, 腹腔鏡下手術を選択する施設も増加していると考えられる7-10). 当科では, 卵巣出血に対して積極的に腹腔鏡下手術を行っており, 今回, 腹腔鏡下手術を行った卵巣出血例の臨床的特徴について検討した. 対象および方法 1991年9月から2003年12月までに長崎大学医学部, 歯学部附属病院産婦人科で腹腔鏡で診断, 加療した卵巣出血54例(1例は反復例であるが, 個別の例として検討)を対象として, それらの年齢, 経妊, 経産数, 発症時の月経周期, 誘因の有無, 輸血の有無, 術前検査所見, 手術所見などをカルテ記録, 術中スライド写真およびビデオ画像等を用いて後方視的に検討した.
ISSN:1884-9938