不妊症例における腹腔鏡後の妊娠に関する検討
当科では長期不妊症例やHSG上異常所見のある症例に対して, 不妊因子の精査と治療を目的として腹腔鏡を施行し, 全例に卵管通水, 生理食塩水による腹腔内洗浄を, 病変があれば切除, 焼灼, 癒着剥離等を行っている. 今回腹腔鏡の有用性を評価するため, 術後の妊娠率について検討した. 当科にて2000年1月より2002年12月まで不妊の精査目的に腹腔鏡を施行した48例のうち, 術後1年以上経過観察のできた36例について後方視的に検討した. 平均年齢は33.7歳, 平均不妊期間は4年8か月, 平均不妊治療期間は1年10か月であった. 術後に診断された不妊因子は機能性6例, 卵管因子6例, 排卵障害5...
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Format: | Tagungsbericht |
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Zusammenfassung: | 当科では長期不妊症例やHSG上異常所見のある症例に対して, 不妊因子の精査と治療を目的として腹腔鏡を施行し, 全例に卵管通水, 生理食塩水による腹腔内洗浄を, 病変があれば切除, 焼灼, 癒着剥離等を行っている. 今回腹腔鏡の有用性を評価するため, 術後の妊娠率について検討した. 当科にて2000年1月より2002年12月まで不妊の精査目的に腹腔鏡を施行した48例のうち, 術後1年以上経過観察のできた36例について後方視的に検討した. 平均年齢は33.7歳, 平均不妊期間は4年8か月, 平均不妊治療期間は1年10か月であった. 術後に診断された不妊因子は機能性6例, 卵管因子6例, 排卵障害5例, 内膜症6例, 子宮筋腫1例, 男性因子12例であった. 術後妊娠例は18例(50.0%)で, その内訳は機能性3例, 卵管因子3例, 排卵障害3例, 内膜症1例, 男性因子8例で, 内膜症以外は不妊因子ごとの差はなかった. 妊娠までの期間は半年以内が7例, 半年から1年が7例, 1年以上が4例で, 77.8%が術後1年以内の妊娠であり, 2年を超えて妊娠した症例はなかった. ARTによって妊娠した症例は10例で, うち8例が男性因子あるいは卵管因子であった. 卵管因子, 男性因子以外の症例では腹腔鏡後にARTを行わないでも妊娠する症例があり, 長期不妊例での腹腔鏡は診断治療として有用である. また卵管因子, 重度の男性因子ではARTが有効であったが, 子宮内膜症と診断された症例の妊娠は他に比して少なく, 治療に関しては今後の課題である. |
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ISSN: | 1884-9938 |