多嚢胞性卵巣像を呈さない無排卵症に対しLaparoscopic Ovarian Drillingが有効であった1例
薬物療法に抵抗性を示す多嚢胞性卵巣症候群の症例に対して腹腔鏡下にOvarian Drilling法が行われ, 良好な成績が報告されている. 今回我々は, 多嚢胞卵巣像を示さない無排卵症例に対してLaparoscopic Ovarian Drillingを施行し, 自然排卵を認めた1例を経験したので報告する. 29歳, 0経妊O経産. 平成11年4月無月経を主訴に当院初診. 身長166cm, 体重80kg, 男性化徴候は認められなかった. 内診, 経膣超音波断層法にて, 子宮, 両側付属器に形態的な異常は認めなかった. 基礎ホルモン値は, LH14mIU/ml, FSH9.0mIU/ml, Es...
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Format: | Tagungsbericht |
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Zusammenfassung: | 薬物療法に抵抗性を示す多嚢胞性卵巣症候群の症例に対して腹腔鏡下にOvarian Drilling法が行われ, 良好な成績が報告されている. 今回我々は, 多嚢胞卵巣像を示さない無排卵症例に対してLaparoscopic Ovarian Drillingを施行し, 自然排卵を認めた1例を経験したので報告する. 29歳, 0経妊O経産. 平成11年4月無月経を主訴に当院初診. 身長166cm, 体重80kg, 男性化徴候は認められなかった. 内診, 経膣超音波断層法にて, 子宮, 両側付属器に形態的な異常は認めなかった. 基礎ホルモン値は, LH14mIU/ml, FSH9.0mIU/ml, Estradiol32.9pg/ml, Teststerone33.7ng/dl, であり, LHの高値が見られた. clomipheneにて排卵誘発を試みるも排卵にいたらず, HMG療法には低反応であった. 平成15年1月, 診断目的にて腹腔鏡を施行した. 子宮, 両側付属器に特に形態的な異常は認めなかった. この際, Ovarian Drillingを施行した. 術後LH値の速やかな低下が見られ, 同月経周期にて自然排卵が確認された. 典型的な両側の腫大した多嚢胞卵巣像を示さない無排卵症に対しOvarian Drillingが有効であった1例を経験した. Laparoscopic Ovarian Drillingの作用機序はいまだ不明な点も多く, 血中LH値, LH/FSH比を正常化させることにより無排卵を改善すると考えられている. Laparoscopic Ovarian Drillingは多嚢胞性卵巣症候群でない症例に対しても有効である可能性があり, その適応の拡大ならびに適切な適応を検討する必要があると考えられた. |
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ISSN: | 1884-9938 |