月経時に腸閉塞を反復発症した腸管子宮内膜症の腹腔鏡診断

腸管子宮内膜症は比較的稀な疾患である. 今回, 月経時に反復して腸閉塞を発症し, 腹腔鏡下に診断し得た腸管子宮内膜症を経験したので報告する. 患者は35歳の未経妊婦. 平成5年(25歳)から月経痛のため近医を受診し, 臨床子宮内膜症の診断で薬物治療を受けていた. 平成12年(32歳), 転居のため当院を紹介受診した. 初診時に右卵巣チョコレート嚢胞を認めたため, 腹腔鏡下卵巣チョコレート嚢胞摘出術を施行した. 術後, GnRH agonist治療を6ヵ月間行った. 平成15年(35歳)6月, (月経周期6日目)腸閉塞を発症し, 絶飲食輸液にて症状軽快した. 8月, 月経周期12日目)再び腸閉塞...

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Hauptverfasser: 池田綾子, 堀江さや子, 出浦伊万里, 井庭裕美子, 光成匡博, 吉田壮一, 岩部富夫, 原田省, 寺川直樹
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:腸管子宮内膜症は比較的稀な疾患である. 今回, 月経時に反復して腸閉塞を発症し, 腹腔鏡下に診断し得た腸管子宮内膜症を経験したので報告する. 患者は35歳の未経妊婦. 平成5年(25歳)から月経痛のため近医を受診し, 臨床子宮内膜症の診断で薬物治療を受けていた. 平成12年(32歳), 転居のため当院を紹介受診した. 初診時に右卵巣チョコレート嚢胞を認めたため, 腹腔鏡下卵巣チョコレート嚢胞摘出術を施行した. 術後, GnRH agonist治療を6ヵ月間行った. 平成15年(35歳)6月, (月経周期6日目)腸閉塞を発症し, 絶飲食輸液にて症状軽快した. 8月, 月経周期12日目)再び腸閉塞を発症し, 絶飲食輸液にて症状軽快した. 9月, (月経周期2日目)強い腹痛と下痢, 嘔吐を認め当科に緊急入院となり, 絶飲食輸液療法で症状は軽快した. 4ヵ月間で3回の腸閉塞を発症したことから, 内膜症の局所再発と腸管精査を目的に腹腔鏡下手術を施行した. 術中所見は, 右付属器は正常外観であったが, 回盲部から口側約50cmに至る回腸と上行結腸が内膜症病変を中心に一塊となっていた. 同部位が腸閉塞の原因と考え, 開腹術に移行し, 回盲部合併切除術を施行した. 術後経過は順調で術後12日で退院し, 腸閉塞の症状は消失している. 腸管摘出標本に内膜症組織を確認した. 腸閉塞の再発を繰り返す症例では腸管子宮内膜症の存在を考慮する必要があり, 腹腔鏡検査は有用な診断法と考えられた.
ISSN:1884-9938