191.当科における腹腔鏡下手術の変遷-過去18年間の検討
【緒言】当科における過去18年間の腹腔鏡下手術の変遷について検討した. 【方法】1985年12月より2003年4月までに当科において施行された腹腔鏡下手術1691症例を対象とし, 1985-1990年(初期), 1991-1996年(中期), 1997-2003年(後期)にわけて検討した. 【結果】初期, 中期, 後期の腹腔鏡総件数はそれぞれ132例, 350例, 1299例であり, 腹腔鏡下に処置手術を行った症例の占める割合はそれぞれ40.3%(53/132), 82.0%(287/350), 93.4%(1129/1209)と年を追うごとに増加していた. 処置手術の内訳としては, 初期には...
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Veröffentlicht in: | 日本産科婦人科内視鏡学会雑誌 2003, Vol.19 (1), p.140-140 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【緒言】当科における過去18年間の腹腔鏡下手術の変遷について検討した. 【方法】1985年12月より2003年4月までに当科において施行された腹腔鏡下手術1691症例を対象とし, 1985-1990年(初期), 1991-1996年(中期), 1997-2003年(後期)にわけて検討した. 【結果】初期, 中期, 後期の腹腔鏡総件数はそれぞれ132例, 350例, 1299例であり, 腹腔鏡下に処置手術を行った症例の占める割合はそれぞれ40.3%(53/132), 82.0%(287/350), 93.4%(1129/1209)と年を追うごとに増加していた. 処置手術の内訳としては, 初期には軽度の子宮内膜症の癒着剥離や凝固がほとんどであったが, 中期以降卵巣腫瘍摘出が最多となり, 後期にはさらにLAVHやLAM, TLH, TLMが加わった. また, 後期には悪性腫瘍に対する腹腔鏡下手術が施行されるようになり, 近年では腹腔鏡下に骨盤内リンパ節郭清や傍大動脈リンパ節郭清, さらには腹腔鏡下広汎子宮全摘術も行っている. 腹腔鏡下手術に伴う合併症としては, 初期には軽度の皮下気腫や皮下血腫のみであったが, 中期以降, とくにLAVHをはじめとした積極的な腹腔鏡下手術を実施するようになると, 膀胱損傷, 腸管損傷, 術後出血や気胸を認めるようになった. 【結論】婦人科疾患に対する腹腔鏡下手術は年々増加しており, 悪性腫瘍への適応の拡大, 手術による侵襲の少なさや入院期間の短さといったメリットから今後もさらなる増加が予想される. しかしながら, 腹腔鏡下手術には予期せぬ合併症が発症し得るため, 日頃のトレーニングに加え, 術前の充分なインフォームドコンセントが必要である. |
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ISSN: | 1884-9938 |