139.当科における子宮外妊娠にたいする腹腔鏡手術137例の検討
【はじめに】当科における子宮外妊娠に対する腹腔鏡手術は1986年2月が初めてであり, その後2003年3月末までに137例に実施している. 当初の腹腔鏡は診断が目的であり診断確定後にMTXの全身投与を行ったが, その後鉗子や様々なパワーソースなどが使用可能となり, 1992年にはMTXの外妊部位への局注を行い, 1993年からは卵管摘出や, 卵管線状切開を行い, 現在は間質部妊娠や副角妊娠なども縫合技術の修得により腹腔鏡手術が行えるようになった. 以前はスタッフの確保や機材の準備の都合により緊急の腹腔鏡手術を行えなかったが, 現在では可能となった. 【目的方法】機材や技術の進歩により当科でも子...
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Veröffentlicht in: | 日本産科婦人科内視鏡学会雑誌 2003, Vol.19 (1), p.116-116 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【はじめに】当科における子宮外妊娠に対する腹腔鏡手術は1986年2月が初めてであり, その後2003年3月末までに137例に実施している. 当初の腹腔鏡は診断が目的であり診断確定後にMTXの全身投与を行ったが, その後鉗子や様々なパワーソースなどが使用可能となり, 1992年にはMTXの外妊部位への局注を行い, 1993年からは卵管摘出や, 卵管線状切開を行い, 現在は間質部妊娠や副角妊娠なども縫合技術の修得により腹腔鏡手術が行えるようになった. 以前はスタッフの確保や機材の準備の都合により緊急の腹腔鏡手術を行えなかったが, 現在では可能となった. 【目的方法】機材や技術の進歩により当科でも子宮外妊娠手術は変遷してきた. 過去の子宮外妊娠の腹腔鏡手術症例を検討し今後の手術方法を模索する. 【結果】(1)患者背景:137例のうち2回手術例が6人, 3回手術例が1人. 過去に子宮外妊娠のため開腹手術の既往を有する例が14例(18. 6%). ART後の子宮外妊娠例が14例. (2)手術方法:腹腔鏡による診断後に全身MTX投与が9例, 腹腔鏡下にMTXの局所投与が2例, 外妊血腫圧出法が10例, 卵管線状切開が29例, 卵管摘出が83例, その他4例であった. (3)手術後の妊娠成立:自然妊娠28人37回, ART妊娠21人22回. 自然妊娠は線状切開で11例(37. 9%)みとめ卵管摘出の13例(15. 7%)より有意に高かった. (4)手術後の子宮外妊娠:13人14回みとめ, そのうちMTX投与後が5例, 線状切開が5例, 摘出2例であった. 子宮外妊娠部位は卵管温存例11人中5人が手術側であった. 【考察】卵管が1側でも残っている例では線状切開後も摘出後も子宮外妊娠再発の可能性がある. この検討では線状切開後の方が子宮外妊娠再発率が高かった. 方で自然妊娠成立は線状切開で有意に高いため未婚や若年者では卵管温存を試みたいが子宮外妊娠再発についての充分な説明が必要であると考えられた. |
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ISSN: | 1884-9938 |