103.atypical polypoid adenomyomaの子宮鏡所見

atypical polypoid adenomyoma(APA)は, 子宮内膜または頸管に見られるポリープ状の腫瘤で, 比較的若年者に見られ, 良性の腫瘍と考えられている. しかし腺癌との合併例や異型内膜増殖症に進展した例の報告もあり, 腫瘍の性質についてはいまだ不明な点も多い. 当科の子宮鏡外来で組織学的にAPAと診断された2症例について子宮鏡所見と組織学的所見および臨床経過について検討した. 【症例1】28歳. OGOP. 主訴は不正出血と月経痛. 子宮鏡所見では白色調の筋腫様の単一ポリープで, 粘膜下筋腫と診断したが表面に血管が目立ち典型的な筋腫とは異なっていた. GnRH-analo...

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Veröffentlicht in:日本産科婦人科内視鏡学会雑誌 2003, Vol.19 (1), p.98-98
Hauptverfasser: 高橋千絵, 永田順子, 赤枝朋嘉, 井坂恵一
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:atypical polypoid adenomyoma(APA)は, 子宮内膜または頸管に見られるポリープ状の腫瘤で, 比較的若年者に見られ, 良性の腫瘍と考えられている. しかし腺癌との合併例や異型内膜増殖症に進展した例の報告もあり, 腫瘍の性質についてはいまだ不明な点も多い. 当科の子宮鏡外来で組織学的にAPAと診断された2症例について子宮鏡所見と組織学的所見および臨床経過について検討した. 【症例1】28歳. OGOP. 主訴は不正出血と月経痛. 子宮鏡所見では白色調の筋腫様の単一ポリープで, 粘膜下筋腫と診断したが表面に血管が目立ち典型的な筋腫とは異なっていた. GnRH-analogueを4ヶ月投与後子宮鏡下切除術を施行した. 【症例2】35歳. OGOP. 不妊治療中. 子宮鏡所見では内膜は全体的に肥厚し, その一部に黄色調のポリープ状腫瘤として認められ, 表面を走る異型血管は目立たなかった. 子宮鏡では内膜増殖症と診断した. 症例1は子宮鏡下に摘出した組織で初めてAPAと診断, 症例2は内膜全面試験掻爬によりAPAと診断された. APAは, 子宮体癌取り扱い規約では良性上皮性間葉性混合腫瘍に分類されるが, Kurmanは子宮内膜ポリープのひとつに分類している. 稀な病態ではあるが未産婦に多く月経異常や不妊と関連があると言われており子宮鏡検査を行う機会も多いと考えられる. 文献的には子宮鏡所見や肉眼的所見についての記述は少ないが, 単一または複数のポリープ状の腫瘤で白色または黄色調を呈するという報告があり, この点では我々の症例と一致しており, 今後も症例を増やして検討していきたいと考えている.
ISSN:1884-9938