40.腹腔鏡下子宮筋腫核出術における工夫について-オニンピールステップ法

子宮筋腫は婦人科で扱う良性疾患の中で最も多いものである. 近年minimany invasive surgeryとして腹腔鏡下手術が婦人科手術に適応されてきた. 当院では腹腔鏡下子宮筋腫核出術を1990年1月から2003年3月末まで466例の症例を経験してきたが, 特に筋層内筋腫の核出を行うには様々な工夫が必要である. 今回, われわれは筋層内筋腫の核出を, より効果的に剥離操作し出血量を軽減するための工夫について報告する. 当院での腹腔鏡下筋腫核出手術は気腹法で行い臍輪下縁より10mmスコープ用のトロッカーと, 左右の臍棘線中点に操作鉗子用の5mmのトロッカーを挿入する. さらに, 恥骨直上...

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Veröffentlicht in:日本産科婦人科内視鏡学会雑誌 2003, Vol.19 (1), p.66-66
Hauptverfasser: 浅川恭行, 森田峰人, 間崎和夫, 内出一郎, 中熊正仁, 久保春海
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:子宮筋腫は婦人科で扱う良性疾患の中で最も多いものである. 近年minimany invasive surgeryとして腹腔鏡下手術が婦人科手術に適応されてきた. 当院では腹腔鏡下子宮筋腫核出術を1990年1月から2003年3月末まで466例の症例を経験してきたが, 特に筋層内筋腫の核出を行うには様々な工夫が必要である. 今回, われわれは筋層内筋腫の核出を, より効果的に剥離操作し出血量を軽減するための工夫について報告する. 当院での腹腔鏡下筋腫核出手術は気腹法で行い臍輪下縁より10mmスコープ用のトロッカーと, 左右の臍棘線中点に操作鉗子用の5mmのトロッカーを挿入する. さらに, 恥骨直上に12mmのトロッカーを挿入し縫合糸の挿入やモルセレーターによる筋腫の搬出に使用する. 患者はGnRHaを数ヶ月投与し, 筋腫縮少および筋腫核周囲の血流の減少を図り, 術前に超音波検査にて筋腫径の再計測と子宮内膜との間隔を測定し, 核出に対して子宮内膜の損傷を防止する目安としている. 腹腔鏡挿入後骨盤内の観察, 筋腫核の位置, 個数, 付属器病変の合併や癒着の有無など観察する. 次に生理食塩水で100倍希釈したバソプレッシン溶液を筋腫核周囲に局注する. 子宮壁の切開にはハーモニックスカルペルを用い, 筋腫核に達するまで切開を行う. 剥離操作は二本の有鈎鉗子を用い, 剥離部分の緊張を十分に保ち, 玉ねぎの皮を剥ぐように(薄い被膜を剥がす様に丁寧に)剥離する. 正しい層で剥離されれば出血も少なく, 容易に筋腫核は摘出できる. しかし, 剥離が進み剥離面に緊張を保てない時に, 剥離部に近い筋腫核に再度切開を入れ, 把持し直し, 二本の有鈎鉗子で緊張を保つことで剥離操作が可能となり, 全周性に剥離することが容易になった. また, 子宮内腔への突出の大きい筋層内筋腫や粘膜下筋腫でも, 子宮内膜の破綻をきたすことなく核出が十分可能となった. 今回我々が, 提示する方法をオニオンピールステップとし, 腹腔鏡下筋腫核出術における剥離操作の工夫についてビデオにて供覧する.
ISSN:1884-9938