良性卵巣腫瘍に対する吊り上げ法による腹腔鏡下手術の検討
〔目的〕近年, 婦人科領域における腹腔鏡下手術はめざましい進歩をとげ, 多くの施設で行われるようになってきた. また, 施行方法についても多種多様である. 当科では以前は気腹法を中心に腹腔鏡下手術を行っていたが1997年より吊り上げ法を導入し症例の増加を認めている. 今回良性卵巣腫瘍に対する吊り上げ法を用いた腹腔鏡下手術について検討したので報告する. 〔対象・方法〕対象は1997年5月から2001年3月までの間に, 当科で良性卵巣腫瘍の診断で腹腔鏡下手術(吊り上げ法)を行った89例を対象とし, 手術操作や手術時間, 術中出血量, 術中・術後合併症, 術後入院日数などについて検討した. なお同期...
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Zusammenfassung: | 〔目的〕近年, 婦人科領域における腹腔鏡下手術はめざましい進歩をとげ, 多くの施設で行われるようになってきた. また, 施行方法についても多種多様である. 当科では以前は気腹法を中心に腹腔鏡下手術を行っていたが1997年より吊り上げ法を導入し症例の増加を認めている. 今回良性卵巣腫瘍に対する吊り上げ法を用いた腹腔鏡下手術について検討したので報告する. 〔対象・方法〕対象は1997年5月から2001年3月までの間に, 当科で良性卵巣腫瘍の診断で腹腔鏡下手術(吊り上げ法)を行った89例を対象とし, 手術操作や手術時間, 術中出血量, 術中・術後合併症, 術後入院日数などについて検討した. なお同期間および吊り上げ法導入以前の気腹法で行った60例を比較対象とした. 〔結果〕吊り上げ法と気腹法では, 年齢, 最大腫瘍直径, 手術時間, 術中出血量, 術後入院日数において有意差はなかった. 合併症については, 吊り上げ法において術中にリトラクターが破損した症例があり, 術後は1例にトロッカー挿入部の皮下膿瘍を認めた. 気腹法においては, 1例にイレウス, 1例に術後6日目に出血性ショックで輸血を行った症例があった. 気腹法に比べて吊り上げ法では, 術中操作時にトロッカーよりのガスの漏れが無く, 必要に応じた視野の確保が十分に行えた. 〔まとめ〕吊り上げ法による腹腔鏡下手術においては利点欠点を有しているのは周知の事実である. 当科でも手術操作の違いで手術時間にも差が生じたり, 術中・術後に合併症をきたしている症例も散見された. しかし, 利点も多くあり, 術後回復が早く個人のQOLの向上を考えると今後改善点を念頭に入れた症例の追加が期待される. |
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ISSN: | 1884-9938 |