子宮鏡下手術後の子宮腔内癒着防止に対する新しい器具の開発

〔目的〕不妊患者における子宮鏡下手術後の子宮腔内癒着防止のために避妊用intrauterine device(IUD)が現在広く使用されている. しかしながら, この避妊用IUDは, 本来術後子宮腔癒着防止の専用器具ではないために2nd-look hysteroscopy時に癒着が認められることが多い. 特に, 子宮腔内癒着症においては高頻度に再癒着を認める. そこで今回我々は, 八光メディカル株式会社の協力で子宮鏡下手術の術後子宮腔内癒着を防止するために専用の子宮鏡下手術用IUD(TCR-IUD)を開発したので報告する. 〔方法〕今回開発したTCR-IUDは, 長さ50mm, 幅25mm,...

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Hauptverfasser: 栗林靖, 堀越裕史, 佐賀正彦, 石塚文平
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:〔目的〕不妊患者における子宮鏡下手術後の子宮腔内癒着防止のために避妊用intrauterine device(IUD)が現在広く使用されている. しかしながら, この避妊用IUDは, 本来術後子宮腔癒着防止の専用器具ではないために2nd-look hysteroscopy時に癒着が認められることが多い. 特に, 子宮腔内癒着症においては高頻度に再癒着を認める. そこで今回我々は, 八光メディカル株式会社の協力で子宮鏡下手術の術後子宮腔内癒着を防止するために専用の子宮鏡下手術用IUD(TCR-IUD)を開発したので報告する. 〔方法〕今回開発したTCR-IUDは, 長さ50mm, 幅25mm, 厚さ10mmで左右に長さの異なる4対のフィンを持つ魚骨状の形状をしたシリコン製IUDである. 挿入用ガイドを装備しておりスムーズに子宮腔への挿入が可能である. また, 魚骨状の中心部は, 円筒状となっておりこの側面部分には径2.0mmのサイドホールを10箇所有し, 月経血の排出に支障をきたさない設計となっている. 対象は, 2001年1月から4月の間にインフォームドコンセントを得た子宮腔内病変を有する不妊患者6例で, その内訳は子宮腔内癒着症4例と子宮粘膜下筋腫2例であった. TCR後にTCR-IUDを使用し, 2nd-look hysteroscopy時にその効果を判定した. 〔結果及び考察〕2nd-look hysteroscopy施行時において, 子宮粘膜下筋腫2例には, 子宮腔癒着を認めず, 子宮腔内癒着症4例のうち3例は再癒着を認めなかった. 今回開発したTCR-IUDは, 子宮鏡下手術後の子宮腔内癒着防止に有用であると考えられた.
ISSN:1884-9938