腹腔鏡下卵管線状切開術後の存続子宮外妊娠が大網への絨毛細胞生着による腹腔内出血を発症した一例
〔緒言〕我々は腹腔鏡下卵管線状切開術施行後の存続子宮外妊娠が大網への絨毛細胞生着による腹腔内出血を発症した一例を経験したので報告する. 〔症例〕25才G1P0 〔現病歴〕;自然妊娠成立し妊娠6週1日で不正出血, 右下腹部痛を主訴に前医を受診し, 卵巣嚢腫茎捻転あるいは子宮外妊娠の疑いで当科を紹介受診した. TV-UST上, 子宮内にGSを認めず, 右卵巣外腫瘤31×21mm, 右卵巣二房性嚢胞性腫瘤69×47mmダグラス窩echo-tree space(EFS)19mmを認めた. 尿中HCGは1000IU/Lであった. 以上の所見より右卵管妊娠の診断で緊急腹腔鏡を行った. 右卵管膨大部が径約2...
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Zusammenfassung: | 〔緒言〕我々は腹腔鏡下卵管線状切開術施行後の存続子宮外妊娠が大網への絨毛細胞生着による腹腔内出血を発症した一例を経験したので報告する. 〔症例〕25才G1P0 〔現病歴〕;自然妊娠成立し妊娠6週1日で不正出血, 右下腹部痛を主訴に前医を受診し, 卵巣嚢腫茎捻転あるいは子宮外妊娠の疑いで当科を紹介受診した. TV-UST上, 子宮内にGSを認めず, 右卵巣外腫瘤31×21mm, 右卵巣二房性嚢胞性腫瘤69×47mmダグラス窩echo-tree space(EFS)19mmを認めた. 尿中HCGは1000IU/Lであった. 以上の所見より右卵管妊娠の診断で緊急腹腔鏡を行った. 右卵管膨大部が径約2cmに腫大し未破裂の状態で右卵巣は径7cmに二房性に腫大していた. 卵管妊娠部分に線状切開を加え, 絨毛をhydrodisectionにより圧出した. 4-0モノクリル3針で卵管縫合後ベリプラストP, インターシドを貼付して手術を終了した. 〔術後経過〕術後5日目の尿中HCG400IU/Lであったため, 外来でのHCG測定とし6日目に退院となった. 12日目200IU/L, 19日目400IU/Lとなり, 右下腹部痛が出現した. TV-UST上, 右嚢胞性腫瘤36×35mm, 左二房性嚢胞性腫瘤52×33mm, ダグラス窩EFS50mm認めた. 存続子宮外妊娠, 腹腔内出血の診断で緊急腹腔鏡を施行した. 右卵管形成部位は破裂の所見なく, 大網部位に付着した径約5cmの血腫をダグラス窩に認めた. 左卵巣には未破裂の黄体血腫を認めた. 腹腔鏡下大網部分切除, 左黄体血腫摘出を行い手術を終了した. 術後7日目で尿中HCG40IU/Lに低下し術後病理組織診断で大網血腫内に絨毛細胞を認めた. 〔考察〕腹腔鏡下卵管温存術後の絨毛細胞の大網への二次性生着は稀であるが, 術後HCG下降不良な症例は本状態も念頭に置いて厳重な経過観察が必要と考えられる. |
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ISSN: | 1884-9938 |