腹腔鏡下でのFTカテーテル卵管鏡下卵管形成術の有用性
[目的]卵管性不妊に対して, 我々は腹腔鏡を併用してfalloscopic tuboplasty(FT)カテーテルによる卵管鏡下卵管形成術を行ったので, その治療成績について検討した. [方法]対象は, 1996年4月~2001年3月に当科で本手術を受けた37例(30.1±4.3歳, mean±SD), 49卵管とした. 全例術前に子宮卵管造影により両側または片側の卵管閉塞と診断した. 全身麻酔下に腹腔鏡を行い, まず色素通水検査により卵管の閉塞部位を確認した. 卵管周囲の癒着や子宮内膜症がある場合には, 癒着剥離や病巣の焼灼等の処置を行った. 腹腔鏡下に鉗子により卵管の屈曲を矯正し直線化しつ...
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Zusammenfassung: | [目的]卵管性不妊に対して, 我々は腹腔鏡を併用してfalloscopic tuboplasty(FT)カテーテルによる卵管鏡下卵管形成術を行ったので, その治療成績について検討した. [方法]対象は, 1996年4月~2001年3月に当科で本手術を受けた37例(30.1±4.3歳, mean±SD), 49卵管とした. 全例術前に子宮卵管造影により両側または片側の卵管閉塞と診断した. 全身麻酔下に腹腔鏡を行い, まず色素通水検査により卵管の閉塞部位を確認した. 卵管周囲の癒着や子宮内膜症がある場合には, 癒着剥離や病巣の焼灼等の処置を行った. 腹腔鏡下に鉗子により卵管の屈曲を矯正し直線化しつつFTカテーテルを前進させた. [成績]卵管の疎通回復は, 症例あたり67.6%(25/37), 卵管あたり59.2%(29/49)に得られた. 卵管閉塞部位別では, 間質部48.3%(14/29), 峡部64.3%(9/14), 膨大部100%(6/6)であった. 広間膜への穿孔は20.4%(10/49卵管)であった. 妊娠率は全体で40.5%(15/37), 疎通回復例中では56.0%(14/25)であった. 子宮外(卵管)妊娠は4例(26.7%)に発生した. 術後妊娠成立までの期間は9.5±8.1月であった. クラミジア抗体陽性率は, 全体で18.9%(7/37)であったのに対して, 妊娠例では40.0%(6/15)と高頻度であった(P=0.01). 逆に, 子宮内膜症合併率は全体で32.4%(12/37)であったのに対して, 妊娠例では13.3%(2/15)と低頻度であった(P=0.04). [結論]FTカテーテルによる卵管形成術は, 腹腔鏡の併用により, より確実, 安全に高い疎通回復率を得られ, その結果高い妊娠率を得ることができた. 特にクラミジア感染に伴う卵管閉塞の場合には積極的に施行すべきであると考えられた. しかし, 子宮外妊娠の発生がやや高率である点が今後の課題である. |
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ISSN: | 1884-9938 |