子宮内病変に対する子宮鏡下手術の検討
〔目的〕近年, 子宮内病変に対して非侵襲的で術後回復の早い, 子宮鏡下手術が行われている. 今回, 当科における子宮内病変に対する子宮鏡下手術について検討した. 〔対象・方法〕平成6年9月から平成12年3月までの間に当科にて子宮鏡下手術を施行した72例で, その内訳は, 子宮筋腫分娩32例, 粘膜下筋腫23例, 子宮内膜ポリープ9例, 胎盤ポリープ・遺残8例であった. WOLF社製のレゼクトスコープと, 電極はループ切除電極および蒸散電極を使用した. 潅流液は3%Dソルビトールを使用し, 硬膜外麻酔下に手術を行った. 各々の疾患別に, 年齢・症状・大きさ・手術時間・残存病変・症状改善程度・合併...
Gespeichert in:
Hauptverfasser: | , , , , , |
---|---|
Format: | Tagungsbericht |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 〔目的〕近年, 子宮内病変に対して非侵襲的で術後回復の早い, 子宮鏡下手術が行われている. 今回, 当科における子宮内病変に対する子宮鏡下手術について検討した. 〔対象・方法〕平成6年9月から平成12年3月までの間に当科にて子宮鏡下手術を施行した72例で, その内訳は, 子宮筋腫分娩32例, 粘膜下筋腫23例, 子宮内膜ポリープ9例, 胎盤ポリープ・遺残8例であった. WOLF社製のレゼクトスコープと, 電極はループ切除電極および蒸散電極を使用した. 潅流液は3%Dソルビトールを使用し, 硬膜外麻酔下に手術を行った. 各々の疾患別に, 年齢・症状・大きさ・手術時間・残存病変・症状改善程度・合併症などについて検討した. 〔結果〕平均年齢は子宮筋腫分娩42.9歳, 粘膜下筋腫41.6歳, 子宮内膜ポリープ45.9歳, 胎盤ポリープ・遺残31.9歳であった. 症状は, 子宮筋腫分娩・粘膜下筋腫は過多月経が主であり, 子宮内膜ポリープ, 胎盤ポリープ・遺残は不正性器出血が大半を占めていた. 大きさについては, 子宮筋腫分娩28.2mm, 粘膜下筋腫27mm, 子宮内膜ポリープ13.8mm, 胎盤ポリープ・遺残32.6mmであった. 手術時間には, 各々の群で相違はなく(平均20~60分), 出血も少量であった. 粘膜下筋腫については残存病変は12例に認められたが, それらの症例のうち8例については症状改善を認めた. 粘膜下筋腫以外の疾患では残存病変は認められず, 症状改善も全例に認められた. 合併症は, 胎盤ポリープの1例に子宮穿孔を認めた. 〔まとめ〕子宮内病変に対する子宮鏡下手術は, 症状を改善させるためには有用な治療法であり, また, 手術時間が短く, 術中出血量も少なく, 考慮すべき安全な治療法であるといえる. |
---|---|
ISSN: | 1884-9938 |