子宮鏡外来における電子子宮鏡の有用性について

不妊症, 不正出血などの症例を対象とした子宮鏡外来において, 新たに開発された旭光学工業社製の電子子宮鏡『ビデオヒステロスコープ』を導入し, その有用性を検討した. 〔対象〕平成12年1月から4月までに当科子宮鏡外来を受診し, 『ビデオヒステロスコープ』を使用した不妊症10例(原発性6例, 続発性4例), 不正出血14例を対象とした. 〔方法〕未妊症例にはヘガール5号までの頚管拡張を行った. 全例無麻酔下で手技を行い, 子宮内灌流液には生理的食塩水を使用した. 〔結果〕原発性不妊症6例のうち1例に粘膜下筋腫を, 続発性不妊症4例のうち, 粘膜下筋腫1例, 内膜ポリープ1例を認めた. 不正出血1...

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Hauptverfasser: 矢野ともね, 難波安哉美, 斎藤智博, 三宅潔, 大高究, 木下俊彦, 伊藤元博
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:不妊症, 不正出血などの症例を対象とした子宮鏡外来において, 新たに開発された旭光学工業社製の電子子宮鏡『ビデオヒステロスコープ』を導入し, その有用性を検討した. 〔対象〕平成12年1月から4月までに当科子宮鏡外来を受診し, 『ビデオヒステロスコープ』を使用した不妊症10例(原発性6例, 続発性4例), 不正出血14例を対象とした. 〔方法〕未妊症例にはヘガール5号までの頚管拡張を行った. 全例無麻酔下で手技を行い, 子宮内灌流液には生理的食塩水を使用した. 〔結果〕原発性不妊症6例のうち1例に粘膜下筋腫を, 続発性不妊症4例のうち, 粘膜下筋腫1例, 内膜ポリープ1例を認めた. 不正出血14例では粘膜下筋腫2例, 筋層内筋腫1例, 子宮内膜増殖症2例, 子宮内膜癌2例が認められた. 検査後に摘出術などにより病理検索が可能であった例では, 全例, その所見は子宮鏡所見と一致していた. 〔結論〕電子子宮鏡『ビデオヒステロスコープ』はその簡便性は従来のヒステロファイバースコープと大差無いが, モニター, 光源内蔵プロセッサー, プリンタと, 比較的コンパクトにまとまっており, 外来にも常設可能である. また, その画像は明らかにより精細であり, 診断率の向上が期待できる. さらに, カラープリンタにより画面のハードコピーが瞬時に可能であり, 患者への説明において利用価値が大きい. 以上より, 外来という限られたスペース・時間のなかでの子宮鏡検査に, 本器は十分に有用であると思われた.
ISSN:1884-9938