子宮腔内病変に対するバイポーラ電極(Versapoint)を用いた子宮鏡下手術の有用性

粘膜下筋腫, 子宮腔癒着症などの子宮腔内病変の治療に子宮鏡下手術が広く行われるようになった. 従来のモノポーラ電極を用いたレゼクトスコープでは, 非電解質液の大量の灌流による水中毒, 電流の漏出などの危険性を常に念頭に置かなければならない. 新たに開発されたVersapointシステム(GYNECARE社)はバイポーラ電極を用いるため多くの利点を有する. 今回われわれは本システムを用いた子宮鏡下手術により数例の子宮腔内病変を治療する機会を得たのでその有用性について報告する. 〔対象と方法〕1999年9月から2000年4月までに当科不妊・不育外来を受診した子宮腔内病変を有する患者7例(粘膜下筋腫...

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Hauptverfasser: 竹下俊行, 新井麻紀, 小林肇, 五十嵐健治, 石川源, 土居大祐, 米山剛一, 明楽重夫, 荒木勤
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:粘膜下筋腫, 子宮腔癒着症などの子宮腔内病変の治療に子宮鏡下手術が広く行われるようになった. 従来のモノポーラ電極を用いたレゼクトスコープでは, 非電解質液の大量の灌流による水中毒, 電流の漏出などの危険性を常に念頭に置かなければならない. 新たに開発されたVersapointシステム(GYNECARE社)はバイポーラ電極を用いるため多くの利点を有する. 今回われわれは本システムを用いた子宮鏡下手術により数例の子宮腔内病変を治療する機会を得たのでその有用性について報告する. 〔対象と方法〕1999年9月から2000年4月までに当科不妊・不育外来を受診した子宮腔内病変を有する患者7例(粘膜下筋腫4例, 子宮内膜ポリープ2例, アシャーマン症候群1例に対してVersapointシステムを用いて子宮鏡下手術を施行した. ラミセル, またはラミナリアにより頚管拡張を行い, 生理食塩水灌流下に処置を施行した. 子宮鏡システムはオリンパス社OES4000ヒステロスコープを用い, 5Fr処置用チャンネルから電極チップを挿入し専用ジェネレータによって130Wで蒸散を, 60Wで凝固を行った. 〔結果〕子宮内膜ポリープの蒸散には数分, 3cm径の粘膜下筋腫では1時間以上を要したものの, 出血量は殆ど測定限度以下であり子宮穿孔などの副損傷もなかった. 強力な蒸散作用を有するため小さな組織片をその都度排出させる必要がなく, 手術時間の短縮, 頚管刺激による子宮収縮を回避することができた. 灌流に要した生理食塩水は最大14,000mlに及んだが, 術後低Na血症, 水中毒の発生は認めなかった. 〔結論〕バイポーラ電極を用いるVersapointシステムは特別な技術を必要とせず, 優れた操作性と高い安全性を有する. 今後外来手術への適用なども含め子宮鏡下手術の適応拡大に寄与するものと考えられる.
ISSN:1884-9938