当院における腹腔鏡下手術術式の年次推移の検討
〔目的〕腹腔鏡下手術においては手術器具や技術の進歩により術式が飛躍的に多様化し, またその適応も拡大してきている. 今回, 当院における腹腔鏡下手術の手術数, 適応疾患, 術式の年次推移を検討し, その傾向を考察した. 〔方法〕1993年1月より1999年12月までに産婦人科両性疾患で行われた腹腔鏡下手術のべ1338件を対象にし, その疾患部位別に卵巣腫瘍・内膜症(I群), 子宮(II群), 卵管・子宮外妊娠(III群), 内分泌・機能性不妊・その他(IV群)の4群に大別しその年次推移を検討した. また, それぞれの部位毎にその診断, 術式について検討した. 〔結果〕1993年には87件であっ...
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Zusammenfassung: | 〔目的〕腹腔鏡下手術においては手術器具や技術の進歩により術式が飛躍的に多様化し, またその適応も拡大してきている. 今回, 当院における腹腔鏡下手術の手術数, 適応疾患, 術式の年次推移を検討し, その傾向を考察した. 〔方法〕1993年1月より1999年12月までに産婦人科両性疾患で行われた腹腔鏡下手術のべ1338件を対象にし, その疾患部位別に卵巣腫瘍・内膜症(I群), 子宮(II群), 卵管・子宮外妊娠(III群), 内分泌・機能性不妊・その他(IV群)の4群に大別しその年次推移を検討した. また, それぞれの部位毎にその診断, 術式について検討した. 〔結果〕1993年には87件であった腹腔鏡下手術総数は1999年には245件と3倍近く増加し, また当院での婦人科良性疾患手術件数に占める割合も25%から58%へ増加していた. 疾患部位別に見るとI群については1993年と1999年で35件と129件, II群については12件と51件, III群に関しては17件と27件, IV群は23件から36件であり, 全ての群で増加傾向があった. 部位別にみるとI群については1993年には行われていなかったダグラス窩開放術が1999年には30件施行されており, II群については1993年には12例全例がLAVHだったのに比し, 1999年には51例中4例のみがLAVHで43例はLM(Laparoscopic Myomectomy)であり, その術式の変化が著しい. IV群には機能性不妊に対する診断的な腹腔鏡やPCO, POFなど内分泌疾患に対する卵巣生検やMEC(multiple electro cautery)などが含まれており, 1995年までは全身麻酔下に行われていたが, 細経腹腔鏡が導入された1996年以降は全例day surgeryで行われるようになっている. 〔結論〕腹腔内の観察から始まった婦人科腹腔鏡は術式の拡大により, あらゆる疾患にも対応できるようになり, また当初の目的であった腹腔の観察は細型腹腔鏡の導入により侵襲の小さな静脈麻酔下に日帰りまたは1泊2日で行われるようになってきている. これにより治療的な腹腔鏡と, 診断的な腹腔鏡の2極化が進み, より効率的な腹腔鏡が行われるようになってきた. |
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ISSN: | 1884-9938 |