腹腔内迷入IUDの摘出を可能にした透視下腹腔鏡手術

腹腔鏡が検査を中心に行われていた時代から, 最近では器具類の改良や種類の増加に技術も向上し種々の手術が婦人科領域でも可能になってきた. スコープや鉗子類のサイズも小さくなりその結果創部も小さくなり侵襲がより少なくなった. そして小さい傷や侵襲が少ないなどの利点を生かして検査や簡単な処置ですむ症例に対して応用されるようになった. 婦人科においては極めてまれにしか遭遇しないものにIUDの腹腔内迷入がある. 今回, 腹腔内に迷入してしまったIUD(カヤクループ)に対してどのように腹腔鏡手術が利用できるか実際の症例を提示し報告する. 症例は1回経産婦で, 平成3年12月12日にIUD(カヤクループB)...

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Hauptverfasser: 植野りえ, 川村良, 豊岡理恵子, 家村邦太郎, 小倉久男
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:腹腔鏡が検査を中心に行われていた時代から, 最近では器具類の改良や種類の増加に技術も向上し種々の手術が婦人科領域でも可能になってきた. スコープや鉗子類のサイズも小さくなりその結果創部も小さくなり侵襲がより少なくなった. そして小さい傷や侵襲が少ないなどの利点を生かして検査や簡単な処置ですむ症例に対して応用されるようになった. 婦人科においては極めてまれにしか遭遇しないものにIUDの腹腔内迷入がある. 今回, 腹腔内に迷入してしまったIUD(カヤクループ)に対してどのように腹腔鏡手術が利用できるか実際の症例を提示し報告する. 症例は1回経産婦で, 平成3年12月12日にIUD(カヤクループB)を子宮に挿入した. その後は一度も当科を来院することなく平成4年11月10日に妊娠が成立するも, この時既にIUDの存在は不明となっていた. その後放置のままになっていたが, 平成7年7月6日内科で施行した腹部レントゲン検査で腹腔内異物として確認された. この時は子宮筋層内に迷入したと考え麻酔下にて抜去を試みるも成功しなかったが, 開腹手術はあえて行わずこのまま経過を見ることにした. しかし平成11年5月21日別の医院で再度腹腔内異物(IUD)を指摘され, 今回は腹腔鏡手術の可能性を検討した. 腹部CTと2回の腹部単純レントゲンからIUDは固定されていない可能性が示唆された. 従って, 切開部が小さい腹腔鏡を使用するには目標になるIUDの場所が明確に分かる必要があり, 透視下で腹腔鏡手術を行えるように準備を行った. 平成11年8月4日透視下腹腔鏡にて腹腔内に迷入したIUD(カヤクループ)を摘出することが出来た. 透視下にて腹腔鏡手術を施行することで直接視野に入らない場所にあるIUDを見つけ体外に摘出できた症例を経験した.
ISSN:1884-9938