卵巣チョコレート嚢胞との共存を認めた卵巣漿液性腺癌の1例

卵巣チョコレート嚢胞は卵巣類腫瘍病変に分類され, 性成熟婦人や不妊症患者に好発する疾患である. 治療法として薬物療法(ダナゾールやGnRH-analogue療法)が選択される場合もあるが, 内視鏡下手術の普及により, 卵巣チョコレート嚢胞のアルコール固定や嚢腫摘出術などが試みられている. 近年の超音波断層法の普及により, 典型的な卵巣チョコレート嚢胞の診断は比較的容易になってきているが, ときに充実部分として描出される場合があり, また悪性腫瘍との共存例や悪性転化例の報告もあり, これらの鑑別が重要となってくる. 今回, 私どもは卵巣チョコレート嚢胞を疑い, 腹腔鏡を予定した患者で, 結果的に...

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Veröffentlicht in:日本産科婦人科内視鏡学会雑誌 1998, Vol.14(1), pp.63-69
Hauptverfasser: 小濱, 正彦, 藤下, 晃, 中村, 恒一, 福田, 雅史, 宮村, 泰豪, 増崎, 英明, 中島, 久良, 石丸, 忠之
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:卵巣チョコレート嚢胞は卵巣類腫瘍病変に分類され, 性成熟婦人や不妊症患者に好発する疾患である. 治療法として薬物療法(ダナゾールやGnRH-analogue療法)が選択される場合もあるが, 内視鏡下手術の普及により, 卵巣チョコレート嚢胞のアルコール固定や嚢腫摘出術などが試みられている. 近年の超音波断層法の普及により, 典型的な卵巣チョコレート嚢胞の診断は比較的容易になってきているが, ときに充実部分として描出される場合があり, また悪性腫瘍との共存例や悪性転化例の報告もあり, これらの鑑別が重要となってくる. 今回, 私どもは卵巣チョコレート嚢胞を疑い, 腹腔鏡を予定した患者で, 結果的にチョコレート嚢胞と漿液性腺癌が共存した1例を経験したので報告する. 症例 患者:26才, 未妊婦. 主訴:月経困難症. 月経歴:初経11才, 月経周期30日型, 持続7日間で順調である. 経血量は多く, 月経痛として下腹痛が強い. 既往歴および家族歴:特記すべきことなし.
ISSN:1884-9938
1884-5746
DOI:10.5180/jsgoe.14.63