腹腔鏡で確認したFitz-Hugh-Curtis症候群の一例

近年, 増加している, Chlanydia trachomatisによる性行為感染症は, 産婦人科領域における子宮頸管炎や, 骨盤内感染症の主要な原因の一つとされているが, 時に上行感染を介した肝周囲炎(いわゆるFitz-Hugh-Curtis症候群)を起こすことがある. 今回, 我々は腹腔鏡検査で確定診断しえた, 慢性期と思われる本症候群の一例を経験したので報告する. 患者は31歳の事務職員で, 5年間の不妊期間があり, 挙児希望で近医を受診し, 臨床的子宮内膜症の診断で6ヵ月間スプレキュアを処方されたが, 妊娠に至らないため, 精査, 加療目的で当科を紹介され初診となった. 初診時腹部は筋...

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Hauptverfasser: 岡田正子, 高橋健太郎, 田丸直美, 尾崎智哉, 内田昭弘, 北尾学
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:近年, 増加している, Chlanydia trachomatisによる性行為感染症は, 産婦人科領域における子宮頸管炎や, 骨盤内感染症の主要な原因の一つとされているが, 時に上行感染を介した肝周囲炎(いわゆるFitz-Hugh-Curtis症候群)を起こすことがある. 今回, 我々は腹腔鏡検査で確定診断しえた, 慢性期と思われる本症候群の一例を経験したので報告する. 患者は31歳の事務職員で, 5年間の不妊期間があり, 挙児希望で近医を受診し, 臨床的子宮内膜症の診断で6ヵ月間スプレキュアを処方されたが, 妊娠に至らないため, 精査, 加療目的で当科を紹介され初診となった. 初診時腹部は筋性防御もなく平坦で柔らかく, 上・下腹部に圧痛, 反跳痛は認められなかった. 内診上, 外陰部に異常は認められず, 鼡径リンパ節の腫脹も認められなかった.
ISSN:1884-9938