間質部閉塞に対する子宮鏡下選択的卵管通水の成否が子宮卵管造影像にて診断可能か

(目的)子宮卵管造影法（HSG）は, 卵管疎通性の検索など, 不妊症において, 多くの情報を得られる確立された検査方法である. しかしながら, 卵管閉塞の診断では, しばしば間質部での筋のspasmなどにより実際の状態とは異なった結果を得ることがある. 一方, 子宮鏡（HFS）を用いた選択的卵管通水は, そういった場合の, 卵管疎通性の確認, あるいは, その通過性を回復させるのに有用な方法であると報告されているが, その成否がHSGの読影の段階で鑑別可能であれば, ただちにballoon tubo plastyあるいはIVF－ETなどの治療を行うことができ, 治療効率も高まると考えられる. 今回我々は, HSGにより間質部閉塞と診断された卵管に, HFSを用いて選択的に通水を行い, その疎通性の有無を確認し, HSG所見と比較検討を加えた.