子宮筋腫核出術後早期に腹腔鏡を施行した不妊症例の検討
「目的」術後癒着の意義とその対策について検討した. 「対象と方法」1986年から1989年の4年間に虎の門病院産婦人科で子宮筋腫を合併した不妊症のために筋腫核出術を行い, その術後早期(7~10日)に腹腔鏡を施行した26例を対象に術後の妊娠について検討した. 追跡調査期間は1ヵ月から3年である. 術後の妊娠例は8例あった. なお一部の症例は, 癒着防止の目的でフィブリン膜を用いた. 「結果」フィブリン膜の使用例の方が妊娠率が低かったが, 使用例の追跡期間は短く比較は出来なかった. 腹腔鏡施行時の癒着の有無によって, 妊娠率に差はなかった. 腹腔鏡施行時に癒着のなかった症例と癒着を剥離した症例を...
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Zusammenfassung: | 「目的」術後癒着の意義とその対策について検討した. 「対象と方法」1986年から1989年の4年間に虎の門病院産婦人科で子宮筋腫を合併した不妊症のために筋腫核出術を行い, その術後早期(7~10日)に腹腔鏡を施行した26例を対象に術後の妊娠について検討した. 追跡調査期間は1ヵ月から3年である. 術後の妊娠例は8例あった. なお一部の症例は, 癒着防止の目的でフィブリン膜を用いた. 「結果」フィブリン膜の使用例の方が妊娠率が低かったが, 使用例の追跡期間は短く比較は出来なかった. 腹腔鏡施行時の癒着の有無によって, 妊娠率に差はなかった. 腹腔鏡施行時に癒着のなかった症例と癒着を剥離した症例を加えた20例中7例(35%)が妊娠したが, 剥離が不可能であった6例中妊娠例は1例(17%)であった. 「考察」術後早期に行う腹腔鏡による癒着剥離が効果的な術後癒着対策である可能性が示峻された. |
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ISSN: | 1884-9938 |