Culdoscopyの現況

クルドスコピーは, Decker1）や林2）によりその有用性が報告されて以来, 不妊症や子宮外妊娠などの診断に, また卵管結紮術や卵巣生検などの内視鏡手術に利用されてきた. 最近では腹腔鏡下手術が盛んになり, クルドスコピーの利用は減少しているが, 手技が容易で操作時間が短い利点もあり, 教室では症例に応じて両者を使い分けている. 本稿では, 最近行なっているレーザーを用いた多嚢胞性卵巣の小切除や, culdoscopic GIFT法を中心に, 当科におけるクルドスコピーの現況について報告する. クルドスコピー手技 クルドスコピーの使用器具はラパロスコピーのそれと似ているが, 仰視のスコープ, 脱着可能な腟鏡, 曲がりミュゾーダグラス窩穿刺用のストッパー付きメスなどが特徴的なものである. まず曲がりミュゾーで子宮腟部後唇を把持し, 後腟円蓋をメスで穿刺する. すると腹腔内に空気の入る音がして, ダグラス窩穿刺が的確に行なわれた事がわかる.