若年軽症本態性高血圧患者に生理的食塩水を静脈内注入した時のナトリウム利尿に及ぼす起立姿勢の影響 -ナトリウム利尿における交感神経活性および心房性ナトリウム利尿ペプチドの役割について
抄録:本態性高血圧の病因の1つとして腎からのナトリウム排泄の異常があげられている. 我々は正常血漿レニン活性を示す8名の至適血圧の若年男性(23±2 歳)と14名の軽症本態性高血圧の男性(25±2歳)において生理的食塩水負荷を行い, この時のナトリウム利尿反応に及ぼす起立姿勢の影響を調べた. 被験者を入院させ, 1日当たり6gの塩化ナトリウムを含む食事を与えた. 生理的食塩水を8.3mL・min-1の速度で120分間(総量1,000mL)静脈内注入した前と注入中の尿中ナトリウム排泄量(UNaV), 内因性クレアチニンクリアランス(CCr), 腎血流量(RBF;p-アミノ馬尿酸クリアランスとヘマ...
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Veröffentlicht in: | 自律神経 2012-12, Vol.49 (4), p.243-250 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 抄録:本態性高血圧の病因の1つとして腎からのナトリウム排泄の異常があげられている. 我々は正常血漿レニン活性を示す8名の至適血圧の若年男性(23±2 歳)と14名の軽症本態性高血圧の男性(25±2歳)において生理的食塩水負荷を行い, この時のナトリウム利尿反応に及ぼす起立姿勢の影響を調べた. 被験者を入院させ, 1日当たり6gの塩化ナトリウムを含む食事を与えた. 生理的食塩水を8.3mL・min-1の速度で120分間(総量1,000mL)静脈内注入した前と注入中の尿中ナトリウム排泄量(UNaV), 内因性クレアチニンクリアランス(CCr), 腎血流量(RBF;p-アミノ馬尿酸クリアランスとヘマトクリットから算出), 血漿中のノルアドレナリン濃度(PNE)および心房性ナトリウム利尿ペプチド濃度(PANP)を測定した. 食塩水を臥位で注入した時には平均血圧(MBP)またはRBFは両群とも有意に変化しなかったが, UNaVおよびCCrは至適血圧者と高血圧患者で上昇し, その上昇の程度には両群間で有意な差異はみられなかった. PNEは両群とも低下し, その低下の程度は高血圧患者で至適血圧者に比べ有意に小であった. また, PANPは両群とも上昇し, その程度は高血圧患者で有意に大であった. 一方, 食塩水静注を起立姿勢で行った時にはMBPは両群とも有意に変化しなかったが, UNaV, CCrおよびRBFは両群とも有意に低下し, その低下の程度は高血圧患者で至適血圧者に比べ有意に大であった. PNEは起立により両群とも有意に上昇し, その程度は高血圧患者で有意に大であった. 一方, PANPはいずれの被験者群でも有意な変化を示さなかった. 以上, 若年軽症高血圧患者では食塩水負荷中の尿中ナトリウム排泄が起立により過剰に低下すること, その機序として交感神経活動の過剰な反応が関与していることが示唆された. |
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ISSN: | 0288-9250 |