Valsalva負荷が循環動態と直腸内圧に及ぼす影響 ―仰臥位と坐位における比較

抄録:体位が腹圧を上昇させて排泄するValsalva負荷に及ぼす影響を明らかにするため, 仰臥位と坐位で心拍, 血圧および直腸内圧に及ぼす影響を比較した. 健康な成人男女20名を対象に仰臥位と坐位で10分間の安静後, いきみ圧10, 20, 30mmHgを15秒間負荷し, 負荷後はそれぞれ2分間の安静を設けた. いきみ圧をモニターし, 直腸内圧, 胸腔内血液量の指標となる胸部インピーダンス, 心拍および血圧を記録した. 重力の影響により, 坐位はすべてのいきみ圧で直腸内圧が高く, いきみやすいことを示した. また, 循環動態への影響も重力により坐位のほうが大きかった. しかし, 高いいきみ圧で...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:自律神経 2011-02, Vol.48 (1), p.48-55
Hauptverfasser: 桑原裕子, 今井美香, 吉田豊, 清水祐樹, 西村直記, 横山清子, 岩瀬敏, 平井眞理, 菅屋潤壹
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:抄録:体位が腹圧を上昇させて排泄するValsalva負荷に及ぼす影響を明らかにするため, 仰臥位と坐位で心拍, 血圧および直腸内圧に及ぼす影響を比較した. 健康な成人男女20名を対象に仰臥位と坐位で10分間の安静後, いきみ圧10, 20, 30mmHgを15秒間負荷し, 負荷後はそれぞれ2分間の安静を設けた. いきみ圧をモニターし, 直腸内圧, 胸腔内血液量の指標となる胸部インピーダンス, 心拍および血圧を記録した. 重力の影響により, 坐位はすべてのいきみ圧で直腸内圧が高く, いきみやすいことを示した. また, 循環動態への影響も重力により坐位のほうが大きかった. しかし, 高いいきみ圧では重力より息止めや筋活動などの影響による交感神経活動が増すため, 循環動態への影響は体位による差がなくなった. 今回の研究より, 排泄にはより低いいきみ圧で直腸内圧を有効に高められる体位が望ましいことが判明した. また, 強い負荷によって心拍出量の調節に寄与する心臓と末梢血管の役割分担に, 体位による差が認められた.
ISSN:0288-9250