腹水を伴う肝硬変患者における筋交感神経活動の亢進

抄録:腹水を伴う肝硬変患者における交感神経活動を検討するために, 肝硬変患者6名および年齢がマッチした健常者8名を対象マイクロニューログラフィを用いて筋交感神経活動(MSNA)を測定した. 30分以上の臥位安静の後にMSNAを記録し, 同時に静脈血を肘静脈から採取し血漿ノルエピネフリン濃度(PNE), 血漿レニン活性(PRA)および血漿アルドステロン濃度(PAC)などを測定した. 肝硬変患者では健常者に比べMSNA, PNE, PRAおよびPACが有意に高値であり, MSNAとPNEとの間に, MSNAとPRAの間に有意の正の相関関係があった. 肝硬変患者では交感神経活動およびレニン-アンジオ...

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Veröffentlicht in:自律神経 2010-12, Vol.47 (6), p.474-478
1. Verfasser: 松川俊義
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:抄録:腹水を伴う肝硬変患者における交感神経活動を検討するために, 肝硬変患者6名および年齢がマッチした健常者8名を対象マイクロニューログラフィを用いて筋交感神経活動(MSNA)を測定した. 30分以上の臥位安静の後にMSNAを記録し, 同時に静脈血を肘静脈から採取し血漿ノルエピネフリン濃度(PNE), 血漿レニン活性(PRA)および血漿アルドステロン濃度(PAC)などを測定した. 肝硬変患者では健常者に比べMSNA, PNE, PRAおよびPACが有意に高値であり, MSNAとPNEとの間に, MSNAとPRAの間に有意の正の相関関係があった. 肝硬変患者では交感神経活動およびレニン-アンジオテンシン-アルドステロン系の亢進がみられ, これらの亢進が肝硬変患者における腹水形成・維持に関与していることが示唆された.
ISSN:0288-9250