経皮的正弦波通電刺激(5Hz, 250Hz, 2kHz)で誘発される感覚と皮膚血流反応の健常成人における定量的解析
3種類の異なる周波数(5Hz, 250Hz, 2kHz)の正弦波通電刺激は, 末梢求心性神経線維を選択的に刺激するとされている. そこで, 健常成人を対象にその弁別性と刺激一感覚の精神物理学的解析, およびその自律神経反応について検討した. 3種の正弦波通電刺激の検出閾値は5Hz(0.3mA), 250Hz(0.5mA), 2kHz(1.6mA)の順に低かった. また誘発される感覚も周波数ごとに異なり, 検出閾値の2倍の強度で最も高率に3種の刺激が弁別された. そこで, べき関数を用いて通電刺激時の刺激一感覚関係を調べた結果, すべての周波数でべき数は1.17(5Hz), 1.20(250Hz...
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Veröffentlicht in: | 自律神経 2004-12, Vol.41 (6), p.547-554 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 3種類の異なる周波数(5Hz, 250Hz, 2kHz)の正弦波通電刺激は, 末梢求心性神経線維を選択的に刺激するとされている. そこで, 健常成人を対象にその弁別性と刺激一感覚の精神物理学的解析, およびその自律神経反応について検討した. 3種の正弦波通電刺激の検出閾値は5Hz(0.3mA), 250Hz(0.5mA), 2kHz(1.6mA)の順に低かった. また誘発される感覚も周波数ごとに異なり, 検出閾値の2倍の強度で最も高率に3種の刺激が弁別された. そこで, べき関数を用いて通電刺激時の刺激一感覚関係を調べた結果, すべての周波数でべき数は1.17(5Hz), 1.20(250Hz), 1.08(2kHz)とほぼ1の直線関係を示した. 一方, 自律神経反応に関しては, いずれの刺激周波数, 強度においても正弦波通電刺激は瞬時心拍数に全く影響を与えず, 皮膚血流量に対してはすべての周波数において有意な減少を示した. また, 250Hzにおいては刺激強度依存的に皮膚血流量の減少が強まった. 以上の結果は, 正弦波通電刺激が一定の選択的な神経刺激を可能としていることを示唆するものであった. |
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ISSN: | 0288-9250 |