鍼通電刺激による精神性発汗への影響
健康若年者を対象に左右手掌部(栂指腹)の精神性発汗を連続測定しながら, 左前腕前面(実験1)と左下腿前面(実験2)の経穴を選択し, 5Hzおよび100Hzの鍼通電を行いその中枢作用の関与を解析した. また発汗記録と平行して電気刺激による閾値と自覚的疼痛感覚を評価した. 左前腕の鍼通電では5Hz群の鍼通電中に有意な発汗減少が両側性に観察されたが100Hz群では一側(左)でのみ観察された. 左下腿の鍼通電では5Hz群において刺激側で有意な発汗減少が観察されたのに対し, 100Hz群では通電中は有意な変化を示さず, 通電後増加傾向を示した. 自覚的疼痛感覚は, 実験1では両群とも一定の傾向を示さず,...
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Veröffentlicht in: | 自律神経 2002, Vol.39 (1), p.87-94 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 健康若年者を対象に左右手掌部(栂指腹)の精神性発汗を連続測定しながら, 左前腕前面(実験1)と左下腿前面(実験2)の経穴を選択し, 5Hzおよび100Hzの鍼通電を行いその中枢作用の関与を解析した. また発汗記録と平行して電気刺激による閾値と自覚的疼痛感覚を評価した. 左前腕の鍼通電では5Hz群の鍼通電中に有意な発汗減少が両側性に観察されたが100Hz群では一側(左)でのみ観察された. 左下腿の鍼通電では5Hz群において刺激側で有意な発汗減少が観察されたのに対し, 100Hz群では通電中は有意な変化を示さず, 通電後増加傾向を示した. 自覚的疼痛感覚は, 実験1では両群とも一定の傾向を示さず, その変化は僅かであった. 実験2についても同様であった. 疼痛閾値は実験1の両群とも有意な変化ではなかった. 実験2の閾値は両群とも低下が見られたが, 100Hz群において全測定で有意な閾値低下が観察された. 以上より5Hzの鍼通電が発汗測定部位から近接部位並びに遠隔部位の何れでも精神性発汗を減少させたことから, 5Hz通電は高位中枢に作用して情動成分の抑制に関与すると推測された. また, 5Hzおよびl00Hzの鍼通電では手掌部発汗への抑制機序が異なることが示唆された. |
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ISSN: | 0288-9250 |