「口腔細菌─ウイルス─宿主相互作用」の視点に立った感染症の発症と増悪機序
「はじめに」 医学の進歩の歴史は, 感染症との戦いの歴史と言っても過言ではない. ジェンナーによるワクチンの開発やフレミングによるペニシリンの発見に続き, 多くのワクチンや薬が開発され感染症は制圧されると思われた. しかし, 新型インフルエンザやエボラ出血熱などの新たな感染症の発生やAIDSの蔓延, さらには結核の再流行など, 感染症は人類を脅かし続けている. 今年に入り, 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の爆発的な感染拡大は人類の社会生活を激変させてしまった. 加えて, 高齢化の進むわが国では, 日和見・院内感染に加え誤嚥性肺炎など, 口腔常在菌が原因となる感染症への対策が求められ...
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Veröffentlicht in: | 歯科薬物療法 2020, Vol.39(3), pp.95-103 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」 医学の進歩の歴史は, 感染症との戦いの歴史と言っても過言ではない. ジェンナーによるワクチンの開発やフレミングによるペニシリンの発見に続き, 多くのワクチンや薬が開発され感染症は制圧されると思われた. しかし, 新型インフルエンザやエボラ出血熱などの新たな感染症の発生やAIDSの蔓延, さらには結核の再流行など, 感染症は人類を脅かし続けている. 今年に入り, 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の爆発的な感染拡大は人類の社会生活を激変させてしまった. 加えて, 高齢化の進むわが国では, 日和見・院内感染に加え誤嚥性肺炎など, 口腔常在菌が原因となる感染症への対策が求められている. 多くの疾患の病因が分子レベルで解明され, 遺伝子治療や再生医療を始めとする最先端医療がおこなわれている今日においても, ウイルス感染症, ことに潜伏感染ウイルスに対する効果的な治療法はない. |
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ISSN: | 0288-1012 1884-4928 |
DOI: | 10.11263/jsotp.21.03 |