一般開業歯科医院における高齢者の口腔乾燥ならびに診療実態に関するアンケート調査
「研究背景と目的」加齢は高齢者における唾液分泌低下の原因の一つである1,2). これは加齢によって唾液腺体に脂肪変性や線維化が生じ, 腺実質細胞が萎縮するためとされている3). 一方, 加齢は安静時唾液流量の低下に関与しないとの報告もある4). ただし, 口腔乾燥は唾液分泌低下のみで生じるのはなく, 唾液の過蒸発や口腔粘膜疾患など唾液分泌量が低下しなくても生じる5). いずれにしても, 口腔乾燥を自覚している多くが高齢者であることは紛れもない事実である. したがって, 口腔乾燥は加齢性病態の一つとも考えられる. 一般的に全身的な慢性疾患は加齢とともに増加する. このような疾患の治療薬には口渇の...
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Veröffentlicht in: | 歯科薬物療法 2012/04/01, Vol.31(1), pp.21-27 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「研究背景と目的」加齢は高齢者における唾液分泌低下の原因の一つである1,2). これは加齢によって唾液腺体に脂肪変性や線維化が生じ, 腺実質細胞が萎縮するためとされている3). 一方, 加齢は安静時唾液流量の低下に関与しないとの報告もある4). ただし, 口腔乾燥は唾液分泌低下のみで生じるのはなく, 唾液の過蒸発や口腔粘膜疾患など唾液分泌量が低下しなくても生じる5). いずれにしても, 口腔乾燥を自覚している多くが高齢者であることは紛れもない事実である. したがって, 口腔乾燥は加齢性病態の一つとも考えられる. 一般的に全身的な慢性疾患は加齢とともに増加する. このような疾患の治療薬には口渇の副作用が多く6), さらに服用する薬剤の種類が増えれば, 唾液分泌量はより低下する1). このような口腔乾燥は口腔局所的にさまざまな障害を生じる. 特に高齢者では, う蝕や歯周病をはじめ, 義歯不適合, 味覚異常あるいは口腔粘膜疾患などを生じ, 摂食・嚥下障害, 上部消化管障害あるいは誤嚥性肺炎など全身的にも影響を及ぼしたりする7). |
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ISSN: | 0288-1012 1884-4928 |
DOI: | 10.11263/jsotp.31.21 |