03-3. 口腔悪性黒色腫に対するDAVFeron療法における血小板減少症の1例

悪性黒色腫は, メラニン産生能を有するメラノサイトに由来する皮膚の代表的悪性腫瘍で, 口腔内にも生じる. 早期にリンパ行性, 血行性に全身転移をきたし, 口腔領域原発の場合, 頸部リンパ節転移の頻度は50%以上で, 予後は極めて不良である. 悪性黒色腫に対しては, DAVFeron(ダカルバジン, 塩酸ニムスチン, 硫酸ビンクリスチン, インターフェロンベータ)療法が本邦で頻用されており, その重篤な副作用の発生頻度は白血球減少症が多い. 今回, われわれは口蓋の悪性黒色腫に対しDAVFeron療法を行い, 3クール後に重篤な血小板減少症が発現した症例を経験したので報告する. 患者は70歳女性...

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Veröffentlicht in:歯科薬物療法 2010, Vol.29 (3), p.128-128
Hauptverfasser: 鎌谷宇明, 朽名智彦, 栗原清佳, 葭葉清香, 藤田日登美, 伊達貴和子, 菊池雄一, 佐藤大典, 吉濱泰斗, 代田達夫, 新谷悟
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:悪性黒色腫は, メラニン産生能を有するメラノサイトに由来する皮膚の代表的悪性腫瘍で, 口腔内にも生じる. 早期にリンパ行性, 血行性に全身転移をきたし, 口腔領域原発の場合, 頸部リンパ節転移の頻度は50%以上で, 予後は極めて不良である. 悪性黒色腫に対しては, DAVFeron(ダカルバジン, 塩酸ニムスチン, 硫酸ビンクリスチン, インターフェロンベータ)療法が本邦で頻用されており, その重篤な副作用の発生頻度は白血球減少症が多い. 今回, われわれは口蓋の悪性黒色腫に対しDAVFeron療法を行い, 3クール後に重篤な血小板減少症が発現した症例を経験したので報告する. 患者は70歳女性で, 口蓋悪性黒色腫に対し腫瘍切除術を施行した後, DAVFeron療法を1月間隔で行った. 3クール施行後の20日目にRBC281×10 4/μl, HT28.5%, HB9.8g/dl, WBC2800/μl, PLT1.7×10 4/μlと血小板が顕著に低下し, common terminology criteria for adverse events v3.0の評価でgrade4の障害が生じた. 血小板を10単位輸血したところ, 翌日PLT6.0×10 4/μlと改善した. 血液内科に対診し骨髄検査の結果, 薬剤性の汎血球減少症であった. これは, 抗癌剤の複数回投与による副作用回復遅延により障害が重篤化したと考えられた.
ISSN:0288-1012