アンギオテンシンII受容体拮抗薬が誘因と推察された舌・口底部の血管性浮腫の1例

「緒言」アンギオテンシンII受容体拮抗薬(angiotensin II receptor blocker;ARB)は, 他の降圧薬と比較して安全性が高いとされ, 近年高血圧や心不全の治療薬として広く使用されている1). しかしながら, 本剤の副作用として, 血管性浮腫は頻度不明である. 今回, われわれは, ARBが誘因と推察された舌・口底部の血管性浮腫の1例を経験したので, その臨床的概要を報告する. 「症例」患者:77歳, 女性. 初診:平成19年3月. 主訴:舌の腫脹. 既往歴:高血圧症. 高血圧症の治療のため初診日1週間前より近医にてARBであるカンデサルタンシレキセチル4mg/日のみ...

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Veröffentlicht in:歯科薬物療法 2010/04/01, Vol.29(1), pp.21-24
Hauptverfasser: 坂元, 亮一, 上川, 善昭, 永山, 知宏, 杉原, 一正
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」アンギオテンシンII受容体拮抗薬(angiotensin II receptor blocker;ARB)は, 他の降圧薬と比較して安全性が高いとされ, 近年高血圧や心不全の治療薬として広く使用されている1). しかしながら, 本剤の副作用として, 血管性浮腫は頻度不明である. 今回, われわれは, ARBが誘因と推察された舌・口底部の血管性浮腫の1例を経験したので, その臨床的概要を報告する. 「症例」患者:77歳, 女性. 初診:平成19年3月. 主訴:舌の腫脹. 既往歴:高血圧症. 高血圧症の治療のため初診日1週間前より近医にてARBであるカンデサルタンシレキセチル4mg/日のみを処方されていた. 血管性浮腫の既往は認めなかった. 家族歴:特記事項なし. 現病歴:平成19年3月某日午前4時頃, 舌の突発性腫脹を認めたため, 近医の救急外来を受診した. 同院にて消炎酵素薬のセラペプターゼ, 抗ヒスタミン薬・副腎皮質ステロイド複合剤のマレイン酸クロルフェニラミン・ベタメタゾン配合および抗アレルギー薬の塩酸エピナスチンを処方されたが, 効果は認められなかった.
ISSN:0288-1012
1884-4928
DOI:10.11263/jsotp.29.21