B-6. 抗真菌薬の臨床効果の適切な判定方法に関する研究

口腔カンジダ症は, 口腔常在菌叢のCandidaによる日和見感染であり, 抗菌薬や副腎皮質ステロイド薬の長期投与, 医科的疾患による宿主の防御能の低下などの発症誘因がある. 症状として舌の疼痛や灼熱感, 味覚異常, 嚥下困難を訴える患者も多く, QOLに影響を及ぼす場合も少なくない. 病態として, 偽膜性カンジダ症, 紅斑性(萎縮性)カンジダ症, 肥厚性カンジダ症などのタイプがあり, その診断は, 臨床症状から判断し, 検鏡や培養検査によるCandidaの存在の確認によって診断するのが一般的である. 口腔カンジダ症の治療には抗真菌薬が用いられるが, 抗真菌薬の投与基準や, 症状や徴候の改善度に...

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Veröffentlicht in:歯科薬物療法 2009, Vol.28 (3), p.170-170
Hauptverfasser: 中川洋一, 佐藤田鶴子, 石橋克禮, 金子明寛, 宮坂孝弘, 上川善昭, 栗山智有, 前田伸子, 山田庄司, 佐藤勉, 小林寅詰, 岩渕博史
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:口腔カンジダ症は, 口腔常在菌叢のCandidaによる日和見感染であり, 抗菌薬や副腎皮質ステロイド薬の長期投与, 医科的疾患による宿主の防御能の低下などの発症誘因がある. 症状として舌の疼痛や灼熱感, 味覚異常, 嚥下困難を訴える患者も多く, QOLに影響を及ぼす場合も少なくない. 病態として, 偽膜性カンジダ症, 紅斑性(萎縮性)カンジダ症, 肥厚性カンジダ症などのタイプがあり, その診断は, 臨床症状から判断し, 検鏡や培養検査によるCandidaの存在の確認によって診断するのが一般的である. 口腔カンジダ症の治療には抗真菌薬が用いられるが, 抗真菌薬の投与基準や, 症状や徴候の改善度についての評価法はさまざまで, 統一された評価方法は確立されていないため, 抗真菌薬の臨床効果の適切な判定方法の確立が臨床の現場において強く求められている. このような背景から, 本学会では抗真菌薬の臨床効果の適切な判定方法を検討することとなった. 方法は, 主治医判定と臨床的症候の各項目の評点の改善度(評点比)の関係を多変量解析し, 各項目を点数化する妥当性や項目の必要性について検討することとした. 本発表では, 抗真菌薬の効果判定基準作成委員会で作成したプロトコールとケースカードを紹介し, 臨床試験の進捗状況について報告する. 質問 岩渕博史(栃木病院):現行のプロトコールでは口腔カンジダ症の診断を主治医の判断にまかされているため, 提出される症例は主治医による選択バイアスが強くかかってしまう. 現行プロトコールでは症状が強く表れた口腔カンジダ症のみエントリーされてしまう可能性がある. 症状の弱い口腔カンジダ症もとらえられる様に変更を考えられたらいかがでしょうか? 回答 中川洋一:CFU cut off値は決めていないがおおむね100CFU以上がエントリーされている. 診断は, 臨床症状で判断して培養で陽性のものをカンジダ症確定としている.
ISSN:0288-1012