胸水貯留が発見契機となり胸膜生検で診断した成人リンパ芽球性白血病/リンパ腫の1例

「要旨」: 59歳の女性が呼吸困難と咳嗽を伴う右胸水貯留で当院を紹介受診した. 造影CTで右胸膜の肥厚像を認め, 軟部影は脊柱管内および下行大動脈周囲まで連続していた. 診断目的に胸腔鏡下胸膜生検が行われ, B細胞性急性リンパ芽球性白血病/リンパ腫と診断された. ビンクリスチン(vincristine), ダウノルビシン(daunorubicin), シクロホスファミド(cyclophosphamide), L-アスパラギナーゼ(L-asparaginase), プレドニゾロン(prednisolone)を併用した寛解導入療法が開始され, 胸水, 胸膜・縦隔病変は急速に消失した. 本例のような...

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Veröffentlicht in:日本呼吸器学会誌 2021-05, Vol.10 (3), p.299-303
Hauptverfasser: 早福はるかa, 朝川勝明a, 筒井裕一a, 吉澤和孝a, 寺田正樹a, 難波亜矢子b
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」: 59歳の女性が呼吸困難と咳嗽を伴う右胸水貯留で当院を紹介受診した. 造影CTで右胸膜の肥厚像を認め, 軟部影は脊柱管内および下行大動脈周囲まで連続していた. 診断目的に胸腔鏡下胸膜生検が行われ, B細胞性急性リンパ芽球性白血病/リンパ腫と診断された. ビンクリスチン(vincristine), ダウノルビシン(daunorubicin), シクロホスファミド(cyclophosphamide), L-アスパラギナーゼ(L-asparaginase), プレドニゾロン(prednisolone)を併用した寛解導入療法が開始され, 胸水, 胸膜・縦隔病変は急速に消失した. 本例のような胸水貯留が発見契機となる成人B細胞性急性リンパ芽球性白血病/リンパ腫はきわめて稀である.
ISSN:2186-5876