早期診断治療により救命しえた進行胃癌pulmonary tumor thrombotic microangiopathyが疑われた1例

要旨:症例は69歳男性. 胃癌治療中に呼吸困難で前医を受診し, 慢性閉塞性肺疾患増悪の診断で入院した. 精査加療のため当院に転院したが増悪所見に乏しく, 造影CTも明らかな肺動脈血栓は認めなかった. 心臓超音波検査で右心系拡大を認めたため右心カテーテル検査を施行し, 平均肺動脈圧高値で, 肺動脈吸引細胞診もClass Vであったことから, 臨床的に胃癌によるpulmonary tumor thrombotic microangiopathy(PTTM)と診断した. 抗癌剤と肺血管拡張薬にて呼吸状態は改善し, 第57病日に退院となった. 我々は, PTTMを早期に鑑別に挙げることで救命できた症例...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本呼吸器学会誌 2020-01, Vol.9 (1), p.76-80
Hauptverfasser: 北原慎介, 石田友邦, 川述剛士, 田中健介, 鈴木未佳, 河野千代子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:要旨:症例は69歳男性. 胃癌治療中に呼吸困難で前医を受診し, 慢性閉塞性肺疾患増悪の診断で入院した. 精査加療のため当院に転院したが増悪所見に乏しく, 造影CTも明らかな肺動脈血栓は認めなかった. 心臓超音波検査で右心系拡大を認めたため右心カテーテル検査を施行し, 平均肺動脈圧高値で, 肺動脈吸引細胞診もClass Vであったことから, 臨床的に胃癌によるpulmonary tumor thrombotic microangiopathy(PTTM)と診断した. 抗癌剤と肺血管拡張薬にて呼吸状態は改善し, 第57病日に退院となった. 我々は, PTTMを早期に鑑別に挙げることで救命できた症例を経験したので報告する.
ISSN:2186-5876