Lemierre症候群に続発した感染性肺動脈仮性動脈瘤の1例

要旨 : 症例は28歳, 男性. 化膿性扁桃炎に敗血症性肺塞栓症を合併しLemierre症候群と診断されたが, 抗菌薬治療への反応に乏しく肺病変の増悪により大量喀血をするに至った. 気管支動脈塞栓術により出血は消退したが, 少量の喀血が持続した. 肺動脈系の精査で肺動脈仮性動脈瘤が認められ, コイル塞栓術により完全な止血が得られた. 一般細菌感染に伴う肺動脈仮性動脈瘤は, まれな疾患ではあるが重篤な転帰をたどる可能性があり, 呼吸器感染症に伴う喀血の場合は同疾患の可能性も考慮する必要がある. 「緒言」 Lemierre症候群は, 咽喉頭領域の先行感染の後に内頸静脈の血栓性静脈炎, 全身への敗血...

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Veröffentlicht in:日本呼吸器学会誌 2016-05, Vol.5 (3), p.150-153
Hauptverfasser: 足立雄太, 山名高志, 齋藤弘明, 山下高明, 齊藤和人, 篠原陽子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:要旨 : 症例は28歳, 男性. 化膿性扁桃炎に敗血症性肺塞栓症を合併しLemierre症候群と診断されたが, 抗菌薬治療への反応に乏しく肺病変の増悪により大量喀血をするに至った. 気管支動脈塞栓術により出血は消退したが, 少量の喀血が持続した. 肺動脈系の精査で肺動脈仮性動脈瘤が認められ, コイル塞栓術により完全な止血が得られた. 一般細菌感染に伴う肺動脈仮性動脈瘤は, まれな疾患ではあるが重篤な転帰をたどる可能性があり, 呼吸器感染症に伴う喀血の場合は同疾患の可能性も考慮する必要がある. 「緒言」 Lemierre症候群は, 咽喉頭領域の先行感染の後に内頸静脈の血栓性静脈炎, 全身への敗血症性塞栓症をきたす感染症である. 今回我々は, Lemierre症候群に肺動脈仮性動脈瘤を合併した症例を経験したため報告する. 「症例」 症例 : 28歳, 男性. 主訴 : 咽頭痛. 既往歴・家族歴 : 特記事項なし. 生活歴 : 喫煙歴5本/日, 飲酒歴 : 少量機会飲酒.
ISSN:2186-5876