経皮的ドレナージと抗真菌薬投与で改善したアスペルギルスによる感染性肺嚢胞の1例

「要旨」 肺結核治療歴のある63歳, 男性. 発熱を主訴に受診し, 感染性肺嚢胞の診断で入院となった. 抗菌薬による加療を行うも改善がなく, 第26病日に経皮的ドレナージを施行し嚢胞内の洗浄を開始した. その後, 嚢胞内の貯留液体からアルペルギルス属が検出されたため, 抗真菌薬の併用投与を行い改善した. 「緒言」 肺アスペルギルス症, 感染性肺嚢胞は共に内科的治療のみでは改善を得られないことがある. しかし外科的治療が行えず, 治療に難渋する例も少なくない. 今回, 経皮的ドレナージと抗真菌薬の併用投与が有効であったアスペルギルスによる感染性肺嚢胞の1例を経験したため, 文献的考察を加え報告す...

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Veröffentlicht in:日本呼吸器学会誌 2014-11, Vol.3 (6), p.823-826
Hauptverfasser: 小林謙太郎, 長崎彩, 山元正之, 五十嵐尚志
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」 肺結核治療歴のある63歳, 男性. 発熱を主訴に受診し, 感染性肺嚢胞の診断で入院となった. 抗菌薬による加療を行うも改善がなく, 第26病日に経皮的ドレナージを施行し嚢胞内の洗浄を開始した. その後, 嚢胞内の貯留液体からアルペルギルス属が検出されたため, 抗真菌薬の併用投与を行い改善した. 「緒言」 肺アスペルギルス症, 感染性肺嚢胞は共に内科的治療のみでは改善を得られないことがある. しかし外科的治療が行えず, 治療に難渋する例も少なくない. 今回, 経皮的ドレナージと抗真菌薬の併用投与が有効であったアスペルギルスによる感染性肺嚢胞の1例を経験したため, 文献的考察を加え報告する. 「症例」 患者: 63歳, 男性. 主訴: 発熱. 既往歴: 48歳 肺結核(治療歴あり), 55歳 十二指腸潰瘍. 家族歴: 特記事項なし. 喫煙歴: 10本/日×30年. 現病歴: 2010年10月下旬から38℃台の発熱が出現し, 近医を受診.
ISSN:2186-5876