膀胱転移からの出血制御に苦慮した原発性肺腺癌の1例

「要旨」:症例は58歳, 男性. 原発性肺腺癌(cT4N3M0, stage IIIb)と診断され, 化学療法を施行したが多臓器転移をきたした. レジメン変更後は膀胱転移巣のみ増大し, 持続性血尿で緊急入院した. 膀胱出血のコントロールに難渋したが経動脈塞栓術により止血した. 膀胱部分切除術を行い, 病理学的に肺癌膀胱転移と確定診断した. 肺癌膀胱転移は非常にまれである. また, 膀胱転移巣のみ増大した原因として抗癌薬の組織移行性や抗癌薬耐性獲得が関与した可能性が考えられた. 「緒言」 原発性肺癌の膀胱転移は世界的に報告が少ない. 今回我々は, 膀胱転移巣のみ増大し, 膀胱転移からの出血制御に...

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Veröffentlicht in:日本呼吸器学会誌 2014-05, Vol.3 (3), p.401-404
Hauptverfasser: 後藤昭彦, 伊東猛雄, 増田大輝, 向井豊, 山末まり, 門田淳一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:「要旨」:症例は58歳, 男性. 原発性肺腺癌(cT4N3M0, stage IIIb)と診断され, 化学療法を施行したが多臓器転移をきたした. レジメン変更後は膀胱転移巣のみ増大し, 持続性血尿で緊急入院した. 膀胱出血のコントロールに難渋したが経動脈塞栓術により止血した. 膀胱部分切除術を行い, 病理学的に肺癌膀胱転移と確定診断した. 肺癌膀胱転移は非常にまれである. また, 膀胱転移巣のみ増大した原因として抗癌薬の組織移行性や抗癌薬耐性獲得が関与した可能性が考えられた. 「緒言」 原発性肺癌の膀胱転移は世界的に報告が少ない. 今回我々は, 膀胱転移巣のみ増大し, 膀胱転移からの出血制御に苦慮した原発性肺腺癌の貴重な1例を経験したので報告する. 「症例」 患者:58歳, 男性. 主訴:血尿, 下腹部痛. 既往歴:54歳時胆石症手術. 喫煙歴:40本/日×38年(20~58歳). 家族歴:父前立腺癌. 職業歴:土木業, アスベスト曝露歴なし.
ISSN:2186-5876