原発性胆汁性肝硬変, 尋常性乾癬に通常型間質性肺炎を合併した1例

「要旨」:原発性胆汁性肝硬変と尋常性乾癬を合併した, 間質性肺炎の1例を経験した. 症例は66歳, 女性. 乾性咳嗽を主訴に来院し, 両肺に間質影を認め, 胸腔鏡下肺生検で通常型間質性肺炎と診断した. 尋常性乾癬は40歳代より発症し, 臨床的に診断された. 原発性胆汁性肝硬変は胆道系酵素の上昇, 抗M2抗体陽性と肝臓針生検結果から診断し, シェーグレン症候群は合併していなかった. 原発性胆汁性肝硬変と尋常性乾癬は, ともに自己免疫疾患でありまれに合併することが知られるが, 通常型間質性肺炎合併の報告はなく, きわめて珍しい症例と考えられたため報告した. 「緒言」 原発性胆汁性肝硬変(prima...

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Veröffentlicht in:日本呼吸器学会誌 2013-11, Vol.2 (6), p.822-827
Hauptverfasser: 朝戸裕子, 田辺利朗b, f, 倉持みずきb, 佐藤則子c, 島田哲也d, 河端美則e
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」:原発性胆汁性肝硬変と尋常性乾癬を合併した, 間質性肺炎の1例を経験した. 症例は66歳, 女性. 乾性咳嗽を主訴に来院し, 両肺に間質影を認め, 胸腔鏡下肺生検で通常型間質性肺炎と診断した. 尋常性乾癬は40歳代より発症し, 臨床的に診断された. 原発性胆汁性肝硬変は胆道系酵素の上昇, 抗M2抗体陽性と肝臓針生検結果から診断し, シェーグレン症候群は合併していなかった. 原発性胆汁性肝硬変と尋常性乾癬は, ともに自己免疫疾患でありまれに合併することが知られるが, 通常型間質性肺炎合併の報告はなく, きわめて珍しい症例と考えられたため報告した. 「緒言」 原発性胆汁性肝硬変(primary biliary cirrhosis:PBC)は自己免疫によって生じる肝臓疾患であり, シェーグレン症候群をはじめ種々の膠原病と合併しやすいことが知られている1). 一方, 尋常性乾癬は, 境界鮮明な紅斑と銀白色雲母状鱗屑を主徴とする皮膚の炎症性角化症であり, 関節炎や膠原病との合併が知られている2).
ISSN:2186-5876