抗CADM-140抗体陽性の典型的皮膚筋炎に合併した急速進行性間質性肺炎の1例

「要旨」:症例は60歳代, 男性. 微熱, 全身倦怠感, 皮疹を主訴に金沢医療センター呼吸器内科入院となった. Gottron徴候を認め, CPK高値であったことから典型的皮膚筋炎と診断した. 胸部CTでは両肺にすりガラス状陰影を認め, 急速に呼吸不全状態となった. 急速進行性間質性肺炎と診断し, ステロイドパルス療法, エンドキサンパルス療法, 血液透析を行うも死亡した. 抗CADM-140抗体が陽性であった. 本症例は典型的皮膚筋炎であったにもかかわらず, 同抗体が陽性であった点, 治療抵抗性の急速進行性間質性肺炎を合併した点において貴重な症例と考えられた. 「緒言」 筋力低下や血清筋原性...

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Veröffentlicht in:日本呼吸器学会誌 2013-11, Vol.2 (6), p.761-766
Hauptverfasser: 酒井麻夫a, 北俊之a, 市川由加里a, 織部芳隆a, 三宅美帆b, 笠原寿郎c
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」:症例は60歳代, 男性. 微熱, 全身倦怠感, 皮疹を主訴に金沢医療センター呼吸器内科入院となった. Gottron徴候を認め, CPK高値であったことから典型的皮膚筋炎と診断した. 胸部CTでは両肺にすりガラス状陰影を認め, 急速に呼吸不全状態となった. 急速進行性間質性肺炎と診断し, ステロイドパルス療法, エンドキサンパルス療法, 血液透析を行うも死亡した. 抗CADM-140抗体が陽性であった. 本症例は典型的皮膚筋炎であったにもかかわらず, 同抗体が陽性であった点, 治療抵抗性の急速進行性間質性肺炎を合併した点において貴重な症例と考えられた. 「緒言」 筋力低下や血清筋原性酵素の上昇などの筋炎症状に乏しいclinical amyopatic dermatomyositis(CADM)は, 治療抵抗性の急速進行性間質性肺炎を併発することが特徴とされ, 近年, 抗CADM-140抗体がCADM患者に特異的な早期診断マーカーとして期待されている.
ISSN:2186-5876