呼吸困難を伴ったLofgren症候群の1例

「要旨」:症例は49歳, 女性. 下腿浮腫と労作時の呼吸困難で来院, 軽度の低酸素血症を認めた. 両側肺門リンパ節腫脹, 多発関節痛, 下腿の結節性紅斑を認め, 急性サルコイドーシスの一病態, Lofgren症候群を疑った. 同症候群は我が国に少なく, 呼吸器症状を伴うことはさらにまれなため, 類似症状を呈する疾患との鑑別目的に胸腔鏡下肺生検を施行し, 類上皮細胞性肉芽腫の病理診断を得た. ステロイドを投与せず酸素投与のみ行い軽快, 症状と所見は1年で消退した. 「緒言」 Lofgren症候群は我が国で非常に少なく, 認知度が低い. 自然軽快することが多く, 症状が軽度であればステ ロイドを投...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本呼吸器学会誌 2013-09, Vol.2 (5), p.578-583
Hauptverfasser: 野田一成a, 村瀬享子a, 大滝美浩a, 安田順一a, 青木茂行a, 清水誠一郎b
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」:症例は49歳, 女性. 下腿浮腫と労作時の呼吸困難で来院, 軽度の低酸素血症を認めた. 両側肺門リンパ節腫脹, 多発関節痛, 下腿の結節性紅斑を認め, 急性サルコイドーシスの一病態, Lofgren症候群を疑った. 同症候群は我が国に少なく, 呼吸器症状を伴うことはさらにまれなため, 類似症状を呈する疾患との鑑別目的に胸腔鏡下肺生検を施行し, 類上皮細胞性肉芽腫の病理診断を得た. ステロイドを投与せず酸素投与のみ行い軽快, 症状と所見は1年で消退した. 「緒言」 Lofgren症候群は我が国で非常に少なく, 認知度が低い. 自然軽快することが多く, 症状が軽度であればステ ロイドを投与せずに経過観察される. 我々は, 両側肺門および縦隔リンパ節腫脹, 多発関節痛, 結節性紅斑の三徴のほか, まれな呼吸器症状を伴った症例を経験し, 他疾患との鑑別のため肺生検を行い確定診断した. 欧米と我が国の報告をふまえ, 臨床経過や診断方法, 治療方針について検討し報告する.
ISSN:2186-5876