感覚性ニューロパチーと膜性腎症が先行し, 発症した小細胞肺癌の1例

要旨:症例は67歳, 男性. 中部ろうさい病院の約1年前に膜性腎症と原因不明の感覚性ニューロパチーを指摘された. その際に施行された全身精査では腫瘍性病変を指摘できず, 感覚性ニューロパチーに対してステロイド療法およびガンマグロブリン治療を施行されたが症状は進行した. その後の経過中に倦怠感の症状を訴え再度胸部CTを撮影したところ, 左肺下葉結節影と縦隔リンパ節腫大を認め気管支鏡検査を施行. 小細胞肺癌と診断し病期はcT1aN3M1b-stage IV OSSであった. 血清の抗Hu抗体が陽性であり, 神経症状は傍腫瘍性感覚性ニューロパチーと診断した. 化学療法を行い腫瘍の原発巣とリンパ節腫大...

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Veröffentlicht in:日本呼吸器学会誌 2013-07, Vol.2 (4), p.349-353
Hauptverfasser: 伊藤浩, 町田和彦, 高村智恵大, 曽根祥子, 矢口大三, 松下明弘, 松尾正樹
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:要旨:症例は67歳, 男性. 中部ろうさい病院の約1年前に膜性腎症と原因不明の感覚性ニューロパチーを指摘された. その際に施行された全身精査では腫瘍性病変を指摘できず, 感覚性ニューロパチーに対してステロイド療法およびガンマグロブリン治療を施行されたが症状は進行した. その後の経過中に倦怠感の症状を訴え再度胸部CTを撮影したところ, 左肺下葉結節影と縦隔リンパ節腫大を認め気管支鏡検査を施行. 小細胞肺癌と診断し病期はcT1aN3M1b-stage IV OSSであった. 血清の抗Hu抗体が陽性であり, 神経症状は傍腫瘍性感覚性ニューロパチーと診断した. 化学療法を行い腫瘍の原発巣とリンパ節腫大は消退. ネフローゼは軽快したが, 感覚障害の改善は得られなかった. 現時点で再発は認めず経過観察を継続中である. 我々は, 感覚性ニューロパチーと膜性腎症が先行した後に発症した小細胞肺癌の1例を報告する.
ISSN:2186-5876