II型呼吸不全を伴う慢性閉塞性肺疾患急性増悪に対する非侵襲的陽圧換気療法の有用性について―当院における治療成績
「要旨」: 2004年1月から2008年1月までの4年間に, II型呼吸不全を伴う慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease: COPD)急性増悪で聖隷三方原病院に入院し, noninvasive positive pressure ventilation(NPPV)療法を行った症例の治療成績を, 後方視的に検討した. NPPV継続が困難であった症例, 気管挿管に移行した症例, NPPV継続中に死亡した症例を治療非完遂群, それ以外を治療完遂群と分類し, 患者背景, NPPV導入時の呼吸状態, 検査結果等を比較検討した. 検討対象となったのは4...
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Veröffentlicht in: | 日本呼吸器学会誌 2013-05, Vol.2 (3), p.163-168 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「要旨」: 2004年1月から2008年1月までの4年間に, II型呼吸不全を伴う慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease: COPD)急性増悪で聖隷三方原病院に入院し, noninvasive positive pressure ventilation(NPPV)療法を行った症例の治療成績を, 後方視的に検討した. NPPV継続が困難であった症例, 気管挿管に移行した症例, NPPV継続中に死亡した症例を治療非完遂群, それ以外を治療完遂群と分類し, 患者背景, NPPV導入時の呼吸状態, 検査結果等を比較検討した. 検討対象となったのは47例で, 治療完遂例が41例(完遂率87%)と完遂率は高く, このうち32/41例(78%)は最終的にNPPVからの離脱が可能であった. 完遂例と非完遂例に分けて比較した場合, 患者背景やNPPV実施場所の違いはなかったが, 導入時の意識障害は非完遂群で多く認められた. また, 完遂例ではNPPV開始1時間後の動脈血液ガス所見でpHとPaCO2の改善が認められていた. 今回の当施設での検討では, ガイドラインが推奨するようにCOPD急性増悪においてNPPV療法は有効な手段であることが再認識され, 治療開始時の意識状態や開始1時間後の動脈血液ガス所見が成否の目安になると考えられた. |
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ISSN: | 2186-5876 |