外来市中肺炎治療における炎症性マーカーについて

要旨:外来治療可能な市中肺炎には, 治療でいったん改善しても短期間に再び呼吸器感染症を発症する例を経験するが予測は難しい. また炎症性マーカーは, 特異性が低いとされる一方, 重症度や抗菌薬中止の判定に有用との報告もある. 今回, 外来市中肺炎の治療判定指標として炎症性マーカーの有用性を検討した. 対象は浜松医科大学関連病院の外来市中肺炎患者66例. モキシフロキサシン(moxifloxacin)400mg/日を投与し, 初日, 3~4日後, 7日後にWBC, CRP, SAA, PCTを測定した. 治療効果の有効63例(95.5%)中, 治療終了28日後に治癒と判定した例は58例(87.9%...

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Veröffentlicht in:日本呼吸器学会誌 2012-05, Vol.1 (4), p.294-303
Hauptverfasser: 古橋一樹, 藤澤朋幸, 早川啓史, 横村光司, 豊嶋幹生, 安田和雅, 菅沼秀基, 白井敏博, 山田孝, 増田昌文, 千田金吾
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:要旨:外来治療可能な市中肺炎には, 治療でいったん改善しても短期間に再び呼吸器感染症を発症する例を経験するが予測は難しい. また炎症性マーカーは, 特異性が低いとされる一方, 重症度や抗菌薬中止の判定に有用との報告もある. 今回, 外来市中肺炎の治療判定指標として炎症性マーカーの有用性を検討した. 対象は浜松医科大学関連病院の外来市中肺炎患者66例. モキシフロキサシン(moxifloxacin)400mg/日を投与し, 初日, 3~4日後, 7日後にWBC, CRP, SAA, PCTを測定した. 治療効果の有効63例(95.5%)中, 治療終了28日後に治癒と判定した例は58例(87.9%), 再び呼吸器感染症を発症し再治療した例は5例(7.6%)であった. その2群間で各測定日の平均値に差はなかったが, CRPとSAAは治療開始から7日後の変化率に有意差を認めた. 以上より外来市中肺炎治療7日後のCRP, SAAの変化率は, 再治療を予測する指標となる可能性が示唆された.
ISSN:2186-5876