初診時, 孤立性肺結節, 深内頸部リンパ節病変を呈したリンパ腫様肉芽腫症の1例
要旨:症例は63歳, 男性. 左下肺野の孤立性結節陰影で紹介され, 経過中に両肺野に多発結節陰影が広がり, FDG-PET/CTにて頸部リンパ節, 肺結節, 脾臓に集積を認めた. 高度の集積を認めた左頸部リンパ節生検より, 組織球性壊死性リンパ節炎と診断, ステロイドを開始した. しかし, 両肺の多発結節陰影は数, 大きさともに増大し, 外科的肺生検を施行, 多彩な細胞浸潤, 血管壁への細胞浸潤がみられ, Epstein-Barr virus-encoded small RNA(EBER)陽性細胞が多数認められたことより, 組織学的にリンパ腫様肉芽腫症grade IIIと診断した. リツキシマ...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 日本呼吸器学会誌 2012-03, Vol.1 (3), p.261-266 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 要旨:症例は63歳, 男性. 左下肺野の孤立性結節陰影で紹介され, 経過中に両肺野に多発結節陰影が広がり, FDG-PET/CTにて頸部リンパ節, 肺結節, 脾臓に集積を認めた. 高度の集積を認めた左頸部リンパ節生検より, 組織球性壊死性リンパ節炎と診断, ステロイドを開始した. しかし, 両肺の多発結節陰影は数, 大きさともに増大し, 外科的肺生検を施行, 多彩な細胞浸潤, 血管壁への細胞浸潤がみられ, Epstein-Barr virus-encoded small RNA(EBER)陽性細胞が多数認められたことより, 組織学的にリンパ腫様肉芽腫症grade IIIと診断した. リツキシマブ(rituximab)を含む多剤併用化学療法を行い, 多発結節陰影の著明な縮小を認めた. リンパ腫様肉芽腫症はまれなリンパ増殖性疾患であり, 治療方針も確立されておらず, 貴重な症例と考え報告する. 「諸言」リンパ腫様肉芽腫症(lympomatoid granulomatosis:LYG)は, 1972年にLiebowらによって初めて報告された比較的まれな疾患であり, 多彩な細胞浸潤, 血管壁への細胞浸潤, およびリンパ球が浸潤している部位における壊死を特徴としている. |
---|---|
ISSN: | 2186-5876 |