喉頭軟化症と診断され挿管困難であった男児の経腎瘻的腎砕石術でHigh‐Flow Nasal Cannulaと鎮静により挿管を回避し得た1例

症例は重症新生児仮死による脳性麻痺を伴う11歳男児で,左腎尿管結石を原因とした左腎盂腎炎,敗血症性ショックのため入院となった.入院中に吸気性喘鳴を伴う呼吸状態悪化により2回気管挿管されており,いずれも喉頭浮腫と分泌物増加のために挿管困難であった.抜管後の気管支鏡検査で喉頭軟化症と診断された.腎盂腎炎の改善目的に経腎瘻的腎砕石術が予定された.すでに造設された腎瘻からの手術であり,侵襲は低いと考えた.気道への侵襲を避けるために気管挿管をしない患者管理が望ましいと考え,High-Flow Nasal Cannulaの使用とデクスメデトミジンによる鎮静で患者管理を行った.術中は呼吸状態の悪化や体動はな...

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Veröffentlicht in:日本臨床麻酔学会誌 2022/07/15, Vol.42(4), pp.340-345
Hauptverfasser: 長谷川, 裕一, 大石, 博史, 吉田, 仁
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は重症新生児仮死による脳性麻痺を伴う11歳男児で,左腎尿管結石を原因とした左腎盂腎炎,敗血症性ショックのため入院となった.入院中に吸気性喘鳴を伴う呼吸状態悪化により2回気管挿管されており,いずれも喉頭浮腫と分泌物増加のために挿管困難であった.抜管後の気管支鏡検査で喉頭軟化症と診断された.腎盂腎炎の改善目的に経腎瘻的腎砕石術が予定された.すでに造設された腎瘻からの手術であり,侵襲は低いと考えた.気道への侵襲を避けるために気管挿管をしない患者管理が望ましいと考え,High-Flow Nasal Cannulaの使用とデクスメデトミジンによる鎮静で患者管理を行った.術中は呼吸状態の悪化や体動はなく,気管挿管をせずに手術を完遂できた.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.42.340