デスフルラン気化器を用いた全身麻酔中に吸入酸素濃度低下をきたした1例

症例は78歳男性.肝細胞癌に対して腹腔鏡下肝部分切除術が施行された.手術開始後3時間程度経過した時点で吸入酸素濃度(FIO2)およびSpO2の低下をきたした(0.35→0.23および100%→96%).FIO2が低下した際に中央配管からのガス供給圧,酸素流量,気道内圧,1回換気量に変化はなかった.酸素流量を増加させたところFIO2は改善した.その後の点検で麻酔器と気化器の装着不良が発覚し,修正後はFIO2の低下が見られなくなった.患者入室前の始業点検でリークは認めておらず,術中に何らかの原因で気化器と麻酔器の間で新鮮ガスのリークを生じたと考えられた....

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Veröffentlicht in:日本臨床麻酔学会誌 2021/03/15, Vol.41(2), pp.140-144
Hauptverfasser: 宮崎, 純志, 堀川, 由夫, 樋口, 恭子, 飯島, 克博, 伊地智, 和子
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は78歳男性.肝細胞癌に対して腹腔鏡下肝部分切除術が施行された.手術開始後3時間程度経過した時点で吸入酸素濃度(FIO2)およびSpO2の低下をきたした(0.35→0.23および100%→96%).FIO2が低下した際に中央配管からのガス供給圧,酸素流量,気道内圧,1回換気量に変化はなかった.酸素流量を増加させたところFIO2は改善した.その後の点検で麻酔器と気化器の装着不良が発覚し,修正後はFIO2の低下が見られなくなった.患者入室前の始業点検でリークは認めておらず,術中に何らかの原因で気化器と麻酔器の間で新鮮ガスのリークを生じたと考えられた.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.41.140