鎮静ガイドライン導入が消化管内視鏡時の偶発症発生率と患者モニター遵守率に及ぼした影響

麻酔科主導の院内統一鎮静ガイドライン(以下GL)を作成,導入し,内視鏡室での患者モニター専従者配置や5分間隔のバイタルサイン測定,記録を開始し,その改訂を経験した.GL導入前,導入後,改訂後の3群で鎮静下消化管内視鏡診療中の偶発症発生率と患者モニター遵守率を後方視的に検討した.GL導入前後で酸素投与と用手換気適用は減少,GL改訂前後では血圧上昇と頻脈は増加し,低換気,低酸素,酸素投与,嘔気・気分不快,覚醒遅延は減少した.患者モニター遵守率が95%以上に至るまでに3年以上を要した.GL導入により,鎮静下診療での深刻な偶発症が減少する可能性が示唆された.詳細な安全性の比較は今後の検討課題である....

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Veröffentlicht in:日本臨床麻酔学会誌 2020/07/15, Vol.40(4), pp.325-334
Hauptverfasser: 亀田, めぐみ, 片山, 正夫, 宮坂, 勝之
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:麻酔科主導の院内統一鎮静ガイドライン(以下GL)を作成,導入し,内視鏡室での患者モニター専従者配置や5分間隔のバイタルサイン測定,記録を開始し,その改訂を経験した.GL導入前,導入後,改訂後の3群で鎮静下消化管内視鏡診療中の偶発症発生率と患者モニター遵守率を後方視的に検討した.GL導入前後で酸素投与と用手換気適用は減少,GL改訂前後では血圧上昇と頻脈は増加し,低換気,低酸素,酸素投与,嘔気・気分不快,覚醒遅延は減少した.患者モニター遵守率が95%以上に至るまでに3年以上を要した.GL導入により,鎮静下診療での深刻な偶発症が減少する可能性が示唆された.詳細な安全性の比較は今後の検討課題である.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.40.325