硬膜穿刺後頭痛を疑い治療を行ったが低ナトリウム血症が判明した症例
61歳男性に対し胸腔鏡補助下右肺下葉切除術を硬膜外麻酔併用全身麻酔で行った.術後2日目から頭痛,嘔気,倦怠感の症状が出現した.硬膜外カテーテル抜去のタイミングと一致したため硬膜穿刺後頭痛を疑い輸液負荷,安静,鎮痛薬投与を行った.症状は改善せず,術後10日目に意識障害を呈し,血清ナトリウム(Na)値113mEq/Lと著明な低Na血症を認めた.高張食塩水の投与と水制限により術後12日目に血清Na値は正常化し,症状も改善した.低Na血症の原因として副腎機能不全とバゾプレシン分泌過剰症(SIADH)が疑われた.術後頭痛,嘔気の原因として低Na血症を考慮する必要がある....
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Veröffentlicht in: | 日本臨床麻酔学会誌 2017/09/15, Vol.37(5), pp.600-605 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 61歳男性に対し胸腔鏡補助下右肺下葉切除術を硬膜外麻酔併用全身麻酔で行った.術後2日目から頭痛,嘔気,倦怠感の症状が出現した.硬膜外カテーテル抜去のタイミングと一致したため硬膜穿刺後頭痛を疑い輸液負荷,安静,鎮痛薬投与を行った.症状は改善せず,術後10日目に意識障害を呈し,血清ナトリウム(Na)値113mEq/Lと著明な低Na血症を認めた.高張食塩水の投与と水制限により術後12日目に血清Na値は正常化し,症状も改善した.低Na血症の原因として副腎機能不全とバゾプレシン分泌過剰症(SIADH)が疑われた.術後頭痛,嘔気の原因として低Na血症を考慮する必要がある. |
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ISSN: | 0285-4945 1349-9149 |
DOI: | 10.2199/jjsca.37.600 |