パークベンチ体位での手術中に発症した横紋筋融解症の1例

72歳男性.左聴神経腫瘍摘出術が予定された.パークベンチ体位をとって4時間後赤褐色尿が出現したが,血液ガス検査,循環動態とも安定していたため手術はそのまま継続した.麻酔時間は9時間15分であった.術直後から側胸部の皮膚に発赤を認めた.術翌日の検査で血中CPK上昇(7,563IU/L),ミオグロビン尿(87ng/mL),CT検査にて側腹部および右臀部の筋肉に腫脹が認められたため,横紋筋融解症と診断された.経過中尿量は保たれており腎機能障害は認めなかった.発症の主な原因はパークベンチ体位による長時間手術と考えられるが,輸液制限やD-マンニトール使用による脱水,肥満などいくつかの誘因が重なり発症した...

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Veröffentlicht in:日本臨床麻酔学会誌 2017/09/15, Vol.37(5), pp.591-595
Hauptverfasser: 川喜田, 美穂子, 石山, 実花, 北川, 愛子, 太田, 志摩, 網谷, 謙, 西村, 佳津
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:72歳男性.左聴神経腫瘍摘出術が予定された.パークベンチ体位をとって4時間後赤褐色尿が出現したが,血液ガス検査,循環動態とも安定していたため手術はそのまま継続した.麻酔時間は9時間15分であった.術直後から側胸部の皮膚に発赤を認めた.術翌日の検査で血中CPK上昇(7,563IU/L),ミオグロビン尿(87ng/mL),CT検査にて側腹部および右臀部の筋肉に腫脹が認められたため,横紋筋融解症と診断された.経過中尿量は保たれており腎機能障害は認めなかった.発症の主な原因はパークベンチ体位による長時間手術と考えられるが,輸液制限やD-マンニトール使用による脱水,肥満などいくつかの誘因が重なり発症したと考えられた.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.37.591